この記事ひとつでノーコードのすべてがわかるように徹底解説しています。
ノーコードを利用する上で知っておくべき、メリット・デメリットやできないこと(限界)、アプリ事例や有効活用する方法、おすすめツールからよくある質問まで網羅しました。
「ノーコード開発を外注したい…」という方から「ノーコードでアプリを作ってみたい…」という方までぜひ最後までご覧ください!
こんにちは。ノーコード専門の開発会社Walkersのつかさ(@tsukasa_hiraga)です。
弊社では数多くのノーコード開発や、ノーコードエンジニア育成スクールの運営を行い、ノーコードの普及活動を行なってきましたが、
- 誤った認識が広まっている
- 有効活用できている人が少ない
というのが現状です。
そこで今回は、専門家としてノーコード開発について徹底解説していきます。
この記事を読むことで、あなたも「ノーコードを正しく活用」できるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次は下記の通りです。
ノーコードとは?
ノーコードとは「コードを書かない開発」

ノーコード(NoCode)とは「コードを書かなくてもホームページやアプリ開発ができる画期的なサービス」のことを言います。
名前の通り、コードが必要無い(No-Code)ってことですね。
通常はアプリを開発するには、プログラミング言語を活用して、コードをたくさん書く必要があります。
しかし、ノーコードでは1文字もコードを書くことなく、アプリを開発することが可能です。
ノーコードとローコードの違いは「コードが必要かどうか」

ノーコードに似た言葉として「ローコード」があります。
ローコード(LowCode)とは、「必要に応じて少しコード書いて、Webサイトやアプリを開発できるサービス」です。
名前の通り、少しのコードが必要(Low-code)ってことですね。
ローコード開発は、ノーコード開発に比べてコードを書くため拡張性は高いですが、開発コストが大きくなるなどのデメリットもあります。
さらに詳しくは、【比較表あり】ノーコードとローコードのたった1つの違いとは?利用シーンまで徹底解説!にまとめていますので、そちらをご覧ください。
ノーコード開発を導入する4つのメリット

ノーコード開発の導入には、以下の4つのメリットがあります。
- 開発費用を50%以上抑えられる
- 開発期間を1/2ほどに短縮できる
- 迅速にアプリを改善することが可能
- リスクを最小限に抑えられる
それぞれ順番に解説していきます。
①開発費用を50%以上抑えられる
一般的なアプリ開発では平均でも初期費用に200〜500万円ほど、場合によっては1000万円以上かかってしまうことも珍しくありません。
しかし、ノーコード開発の場合は費用を50%以上削減することが可能です。
そのためノーコード開発の初期費用は平均で、50万〜200万円ほどになっています。
中には80%以上の開発費用を削減できたという事例もあるので、想像以上に費用を抑えられるかもしれません。
さらに詳しく開発費用について知りたい方は、ノーコード開発で費用を50%以上安くできるって本当?【結論:本当】にまとめていますので、そちらをご覧ください。

②開発期間を1/2ほどに短縮できる
通常のアプリ開発にかかる大まかな期間は以下のようになっています。
- 簡単なアプリ:約3ヶ月
- 一般的なアプリ:約6ヶ月
- 複雑なアプリ:1年以上
しかし、ノーコード開発の場合は期間を1/2ほどに短縮することが可能です。
そのためノーコードによる大まかな開発期間は以下のようになっています。
- 簡単なアプリ:1ヶ月以内
- 一般的なアプリ:約2〜3ヶ月
- 複雑なアプリ:約4〜6ヶ月
ビジネスのスピード感が重要視される現在において、ノーコードの開発速度は大きなメリットと言えるでしょう。
③迅速にアプリを改善することが可能
アプリ開発は、アプリを完成させてリリースするだけでは終わりません。
TwitterやYouTubeでも日々機能が追加されるように、常にニーズに応じて改善していく必要があります。
この作業にはかなり時間がかかってしまうのですが、ノーコード開発では迅速に改善可能です。
結果的に、保守運用にかかる費用も削減できます。
④ リスクを最小限に抑えられる
- 開発費用を50%以上抑えられる
- 開発期間を1/2ほどに短縮できる
- 迅速にアプリを改善することが可能
上記のメリットより、ノーコード開発を利用することで「リスクを最小限に抑えて、新しいビジネスに挑戦できる」ようになります。
- 新しいサービスをリリースしたい
- でもリスクはあまり背負いたくない
といった場合、ノーコード開発が最適解といっても過言ではないでしょう。
ノーコード開発を導入する4つのデメリット・注意点

ノーコード開発はメリットも多いのですが、一方でデメリット・注意点も4つ存在します。
- できないこと(限界)が存在する
- プラットフォームに依存している
- 利用料金が上がっても対処できない
- コードのエクスポートができない
それぞれ順番に解説していきます。
①できないこと(限界)が存在する
ノーコードでは、主に以下の4つの開発ができません。
- 非常に複雑なアプリの開発
- 表示速度が高速なアプリの開発
- 独自システムの開発
- 特化していない領域の開発
そのため、状況によってはノーコード開発が適していない場合があります。
事前に「自分が開発したいアプリは、ノーコードで開発できるのか」ということを、専門家や開発会社に問い合わせた上で利用するのがおすすめです。
さらに詳しくノーコードの限界について知りたい方は、「ノーコードでできないこと」って何?限界から3つの対策まで徹底解説をご覧ください。

②プラットフォームに依存している
ノーコードでは開発から実行まで、すべてノーコードプラットフォーム上で行っています。
よって、そのプラットフォームの提供が終了した場合、開発したアプリがすべて無駄になってしまう恐れがあります。
プラットフォーム依存に関して身近な具体例を挙げると、YouTuberが挙げられます。
YouTubeというプラットフォームがなくなってしまえば、YouTuberの方々はそれまでに築いてきた動画や登録者はすべて失ってしまいます。
それと同じようにノーコードツール上でアプリを開発した場合、ツールの提供が終了したときに、ノーコードで作ったアプリまで使えなくなる可能性があるのです。
しかし、YouTubeがなくならないのと同様に、代表的なノーコードツールに限ってはあまり心配する必要はありません。
この記事の最後に紹介しているツールを利用すれば、問題はないでしょう。
③利用料金を上げられても対処できない
ノーコード開発によってアプリをリリースする場合、サブスクリプション形式で利用料金を支払い続ける必要があります。
そのため、料金が上がってしまった場合は対処できません。
しかし、ノーコード開発の導入で50%以上のコスト削減が可能になるため、特にデメリットと感じることはないでしょう。
④コードのエクスポートができない
ほとんどのノーコードツールではコードのエクスポートができません。
そのため、ノーコードで開発したアプリをコーディング開発に移行する際は、0からコードを書いて開発する必要が出てきてしまいます。
ノーコードはあくまで「コードを書く作業を自動化してくれる」だけで、開発されたアプリの処理はコードで行われています。
例えば、わたしたちはTwitterで誰でも簡単に(コードを書かずに)ツイートできますが、そのツイートは裏でコードによって処理され、タイムラインに表示されるようになっています。
ノーコードで作られたアプリの事例3選

①飲食店のオーダー管理システム(Bubbleによる開発事例)
こちらは弊社Walkersが「Bubble」というノーコードツールで開発した、飲食店専用のオーダー管理システムです。
詳細については、以下の動画をご覧ください。
※1:38〜参考
※現在NoCodeWalkerオンラインサロンは募集しておりません。
上記の動画では、ノーコード開発について以下の内容も解説しています。
- デザイン・開発にかかった時間
- システムの完成度
- ノーコードでどこまでできるか
この動画を初めに見ることで、簡単におおまかなノーコード開発のイメージを掴むことができるので、ぜひ一通り見てみてください。
さらにBubbleで開発されたアプリ事例を知りたい方は、【開発事例15選】ノーコードで作られたアプリまとめ-Bubble編をご覧ください。

②SmartDish(Adaloによる開発事例)

SmartDish(スマートディッシュ)とは、ノーコードツール「Adalo」で開発された、アプリの事前注文によってランチの待ち時間をなくすためのサービスです。
このアプリはたった2ヶ月で市場ニーズ調査からリリースまで行われました。
通常のアプリ開発ではありえないスピード感ですね。
現在はコーディング開発にシフトしており、ノーコードをMVP開発として利用した良い事例となっています。
※MVPとは「市場ニーズを正しく把握するために開発される最低限の機能を備えたプロダクト」を指す。
さらにAdaloで開発されたアプリ事例を知りたい方は、【開発事例13選】ノーコードで作られたアプリまとめ-Adalo編をご覧ください。

③Mei-Mei(Glideによる開発事例)

Mei-Meiは、ノーコードツール「Glide」で開発された明治大学生のための情報共有アプリです。
このアプリは、企画から約2週間でリリースされ、月16万PVを達成しています。
ここまで短期間でクオリティの高いアプリを作れるのは、ノーコード開発ならではの大きな利点ですね。
さらにGlideで開発されたアプリ事例を知りたい方は、【開発事例13選】ノーコードで作られたアプリまとめ-Glide編をご覧ください。

ノーコード開発を有効活用する3つの方法

ノーコード開発は上手く利用すると、非常に効率よく事業を進めることが可能です。
そこで、ノーコード開発を有効活用する以下の3つの方法を解説していきます。
- プロトタイプ・MVP開発
- ニッチな分野に特化したアプリの開発
- システム開発
①プロトタイプ・MVP開発
先ほども説明しましたが、ノーコード開発には主に以下の4つの特徴があります。
- 開発費用が安い
- 開発期間が短い
- 改善スピードが早い
- 複雑すぎるアプリは開発できない
そのため、プロトタイプ・MVP開発には相性が抜群です。
過去の事例では、Adaloで開発されたSmartDishが良い具体例になります。SmartDishのように、
- 1週間〜2ヶ月ほどでMVPをリリース
- 数ヶ月運用してユーザーからフィードバックをもらう
- 高速で仮説検証を繰り返す
- 市場ニーズを正しく把握したところでコーディング開発に移行する
という手順を踏めば、堅実にリスクを押さえてサービスをリリースできます。
このやり方であれば、たとえ失敗したとしても損害が少なく済むので非常におすすめです。
②ニッチな分野に特化したアプリの開発
ノーコードは、プロトタイプ・MVP開発で利用されることが多いですが、本運用アプリとしても利用できます。
その場合は、ニッチな分野に特化したアプリを開発することがおすすめです。
※ニッチとは「大手企業な狙わないような小規模な市場」を指す。
過去の事例では、Glideで開発された「Mei-Mei」が良い具体例になります。
- Mei-Mei→明治大学生にだけに特化
他にも、以下のニッチなアプリも開発されています。
従来のアプリ開発ではコスト的に市場の小さい分野を攻めることはできないため、ニッチを攻められるのはノーコード開発ならではの特権です。
ニッチなアプリを開発する場合は、ぜひノーコード開発を検討していただければと思います。
③小規模なシステム開発
ノーコードは、ニッチなアプリを「安く」「早く」開発できるため、社内のシステム開発にも有効活用できます。
過去の事例では、Bubbleで開発された飲食店のオーダー管理システムが良い具体例になります。オーダー管理システムのように、
- 他のサービスで代用できない
- シンプルな機能で解決できる
という場合に、ノーコードによるシステム開発は非常におすすめです。
おすすめのノーコードツール5選(目的別)

ここでは、目的別におすすめのノーコードツール5つを紹介していきます。
- Bubble(アプリ開発ツール)
- STUDIO(Webサイト制作ツール)
- Shopify(ECサイト制作ツール)
- Airtable(業務改善ツール)
- Zapier(タスク自動化ツール)
さらに多くのノーコードツールについて知りたいという方は、おすすめノーコード開発ツール12選をご覧ください。

①Bubble(アプリ開発ツール)

Bubble(バブル)は、ノーコードツールの中で最も幅広く開発できるWebアプリ開発に特化したツールです。
ユーザー数は100万人を超え、最近では100億円の資金調達を行うなど、世界でもシェアを広げ続けています。
主な特徴は以下の通り。
- 高度な機能も実装可能
- デザインの自由度が高い
- 幅広いアプリ形態に対応可能
ノーコードでここまでできるツールは他にないため、最もおすすめのノーコード開発ツールとなっています。
さらに深くBubbleについて知りたい方は、【超完全版】ノーコードツールBubbleとは?事例からデメリットまで徹底解説をご覧ください。

②STUDIO(Webサイト制作ツール)

STUDIO(スタジオ)は、デザイン性の高いWebサイトを作成できるノーコードツールです。
ユーザー数は15万人を超え、2022年1月には3.5億円の資金調達を行うなど、飛躍的にシェアを伸ばしています。
主な特徴は以下の通り。
- 日本の会社が運営
- デザイン性が抜群
- バックエンドには弱い
バックエンド(裏の処理)にはあまり強くはないため、主にホームページ制作に向いているツールと言えるでしょう。
最近では、スタートアップのホームページの多くがSTUDIOを利用している傾向がありますね。
③Shopify(ECサイト制作ツール)

Shopify(ショピファイ)は、非常に高度なECサイトを構築できるノーコードツールです。
Webサイト全体の3%はShopifyで作成(WordPressについで2位)されており、ECプラットフォームとしてのシェアは世界No.1となっています。
主な特徴は以下の通り。
- デザイン性が高い
- マーケティング機能が充実
- コードによるカスタマイズ可能
ECサイトを制作する場合は、Shopifyを選んでおけば間違いないでしょう。
それほど優れたECサイト制作ツールとなっています。
④Airtable(業務改善ツール)

Airtable(エアテーブル)は、クラウド型のノーコードデータベースツールです。
NetflixやShopifyなどの世界的大手会社も利用しており、最近では100億円ほどの資金調達(評価額は1兆円超え)も行われました。
主な特徴は以下の通り。
- データ形式の指定が可能
- リレーションを組める
- 見た目がわかりやすい
機能がデータベースに特化しており、情報を管理するツールとしては最も使いやすいノーコードツールと言えるでしょう。
また、操作方法や見た目がExcelに似ているため誰でも直感的に操作できます。
⑤Zapier(タスク自動化ツール)

Zapier(ザピアー)は、複数のサービスを連携させてタスクを自動化してくれるノーコードツールになります。
2022年5月現在では、3000種類を超えるツールと連携することができ、タスク自動化サービスとしては世界No.1のシェア率を誇っています。
主な特徴は以下の通り。
- 単純作業の自動化が可能
- 3つ以上のツール間の連携も可能
- 一般的なサービスのほとんどは連携可能
固定された単純作業が存在する場合は、ぜひZapierを利用してみてください。
日常で起きる面倒な作業をなくし、業務効率化を促進することができます。
よくある質問集

- ノーコードに将来性はあるの?
- ノーコードでプログラマーは不要になるの?
- ノーコードはセキュリティが弱いって本当?
- ノーコードはSEOに弱いの?
そのような疑問にお答えしていきます。
ノーコードに将来性はあるの?
結論、大いにあります。
以下の画像は、ノーコード/ローコードの市場規模の推移を予想したものとなります。

このように、ノーコードの市場規模は上昇傾向にあるため、将来性があるのは間違いないと言ってもよいでしょう。
さらに詳しくノーコードの将来性について知りたい方は、【2022年最新】ノーコードは流行る?市場規模について徹底解説!をご覧ください。

ノーコードでプログラマーは不要になるの?
結論、一部のプログラマーは不要になります。
ただし、ノーコードには実装できる機能に限界があるため、ノーコードでできないことを表現できるプラグラマーは不要になることはありません。
詳しくは、【結論:一部は不要に】ノーコードでプログラマーは不要になるのか?にまとめていますのでそちらをご覧ください。

ノーコードはセキュリティが弱いって本当?
結論、まったく弱くありません。
むしろ従来の開発より強い場合もあります。
詳しくは、【実は安全】ノーコードのセキュリティって実際どうなの?にまとめていますので、そちらをご覧ください。

ノーコードはSEOに弱いの?
結論、弱くありません。
SEOとは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略語で、とてもシンプルに言うと、検索エンジンにおいて、特定の検索ワードで自社のWebページの上位表示を目指すための施策を指します。
https://blog.hubspot.jp/what-is-seoより引用
ノーコードツールのSEOが弱くないという根拠は、以下の2つが挙げられます。
- 豊富なSEO設定が可能
- 上位表示されている事例が存在
ただし、利用するツールによってはSEOに弱いものもあるので、その点には注意が必要です。
詳しくは、【結論:戦略が甘いだけ】ノーコードはSEOに弱いの?にまとめていますので、そちらをご覧ください。

さいごに
いかがでしたか?
あなたもノーコード開発を有効活用して、ビジネスに役立てていただければと思います。
私たちのほうでは、ノーコード開発の外注を検討している方に向けて無料相談を行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
弊社WalkersではWebを活用した集客から新規事業の構築、事業のご相談から予算の確保・活用まで幅広くサポートするノーコード開発を提供しております。