不動産の問い合わせ電話はどう受ける?|受付・折り返し・追客電話の手順と会話例
SUUMOやアットホームなどの物件掲載サイトを見た人から、店舗に電話がかかってきます。物件への問い合わせ(反響)のうち、電話で届くものを反響電話と呼びます。その後、店舗からかけ直したり、物件を見に行った後の様子を尋ねたりと、こちらから続けて連絡すること(追客)も電話で行います。
電話は文面が残らず、担当者によって答え方が変わりがちです。この記事では、居住用賃貸の仲介を例に、1本の電話を受けてから記録を残すまでの6段階と、受ける電話・かける電話の会話例を紹介します。物件を見に行くことを、不動産業界では『内見』と呼びます。電話で内見の予約まで進める場面も扱います。
こちらからかける電話には、宅地建物取引業法施行規則が定める勧誘のルールがあります。名乗る内容、かけてはいけない時間帯、断られた後の扱いを、国土交通省の通知で示された考え方とあわせて説明します。
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この記事のポイント
電話に出たら会社の正式名称と自分の名前を名乗り、どの物件をどこで見たかを聞きます。
募集中か分からないときは推測で答えず、確認して折り返す時刻を約束します。
すでに決まった部屋はそのとおりに伝え、ほかの部屋を勧めるのは本人が希望した場合だけにします。
こちらからかける電話は午後9時から午前8時を避け、断られたらその場で終えて記録します。
- 受けた電話では、物件名・部屋・掲載サイト名と、募集状況を確認した時刻を記録し、その場で分からないことは折り返しの時刻を約束する
- こちらからかける電話では、つながった時点で商号・氏名・用件を告げる。略称やフランチャイズの名称だけでは足りない
- 『もう結構です』と言われたら、ほかの担当者からの電話も含めて勧誘を止め、何を断られたかを相手の言葉のまま記録する

1本の電話を受けてから、折り返し・追客電話までの6段階
電話の受け方を担当者任せにすると、同じ物件について別々の説明をしたり、折り返しの約束を忘れたりします。受ける電話もかける電話も、次の6段階で進めます。
問い合わせの電話を受けてから、記録を残すまで
- 1
電話に出て、会社名と名前を名乗る
電話を受けた担当者が、かかってきた電話、手元の物件情報と問い合わせ一覧を確認します。
『お電話ありがとうございます。〔会社の正式名称〕〔店舗名〕の〔名前〕です』と名乗ります。店名の略称だけで名乗りません。
相手が名乗った場合は、名前を控えます。折り返しに使ってよい電話番号は、予約や折り返しを約束する段階(5段階目)で確認します。
ここまでできたら:電話を受けた時刻と、相手が名乗った場合はその名前が、問い合わせ一覧に記録されています
- 2
どの物件を、どこで見て電話したかを聞く
電話を受けた担当者が、相手が話す物件名、賃料、最寄り駅、見ていた物件掲載サイトの名前を確認します。
『どちらのサイトで、どのお部屋をご覧になりましたか』と尋ね、物件名、部屋番号、賃料を相手の言葉のまま控えます。同じ建物の複数の部屋が載っていることがあるため、賃料や階数でどの部屋かを特定します。
ここまでできたら:問い合わせの物件と部屋、掲載サイト名が記録されています
- 3
今も紹介できるかを確かめて答える
電話を受けた担当者が、社内の物件情報、管理会社や貸主に確認した募集状況を確認します。
その場で答えるのは、社内の物件情報や、その日に管理会社へ確認した内容で分かることだけです。募集中と確認できた場合は、確認した時点を添えて伝えます。確認できない場合は『管理会社に確認して、〔時刻〕までにお電話します』と約束します。
すでに申込が入っている、または契約済みの場合は、そのとおりに伝えます。ほかの部屋を紹介するのは、相手が希望した場合だけです。
ここまでできたら:伝えた募集状況と確認した時刻、折り返しの約束が記録されています
[4] - 4
希望の条件と、連絡してよい方法・時間帯を聞く
電話を受けた担当者が、相手が話す希望エリア、賃料、間取り、入居時期、連絡方法の希望を確認します。
相手が話した条件だけを希望として控えます。今後の連絡は電話とメールのどちらがよいか、電話なら『何時ごろならつながりやすいですか』と尋ね、相手の答えをそのまま控えます。
ここまでできたら:希望条件、連絡方法、電話に出やすい時間帯が記録されています
- 5
内見の予約をする、または折り返しを約束する
電話を受けた担当者が、相手の希望日時、管理会社に確認した見学できる日時、担当者の予定を確認します。
予約や折り返しを約束する前に、相手の名前と、つながりやすい電話番号を確認します。見学できる日時をその場で確認できれば予約を確定し、集合場所と当日の連絡先を伝えます。確認が必要な場合は、いつまでに誰から折り返すかを約束します。電話の最後に、決まったことを繰り返して確認します。
ここまでできたら:予約した日時と集合場所、または折り返しの時刻と担当者が記録されています
- 6
かかってきた電話の会話例
受ける電話で多いのは、部屋がまだ空いているかという質問です。3つの場面の会話例を示します。『担当』は店舗の担当者、『お客様』は電話をかけてきた人です。
決まった部屋についての電話を受けたら、自社の広告が物件掲載サイトに残っていないかも、その日のうちに確かめます。広告を消した後の確認方法は、物件広告の注意点を説明した記事で扱っています。
こちらからかける追客電話の会話例
こちらから電話をかけるとき、相手にとっては予定していない電話です。つながった時点で、誰が、何のために電話したかを伝えます。
相手が電話に出なかった場合は、留守番電話に会社の正式名称、名前、用件、折り返し先を残します。何度もかけ直すより、相手が希望した連絡方法に切り替えます。
追客電話で守るルール:名乗り方・時間帯・断られた後
宅地建物取引業法施行規則第16条の11は、宅地建物の取引に関する契約の勧誘をするときに、してはいけない行為を定めています。具体的な運用の考え方は、国土交通省が通知で示しています。通知が出た平成23年当時の条番号は第16条の12で、現在の条番号が第16条の11であることは、2026年9月30日にe-Gov法令検索で確認しました。[1][2][3]
表は横にスクロールして確認できます。
| 場面 | 施行規則で禁止されていること | 電話で気をつけること |
|---|---|---|
| 最初に名乗る[1][2] | 勧誘の前に、宅地建物取引業者の商号または名称、勧誘する人の氏名、契約の勧誘が目的であることを告げずに勧誘すること | 電話がつながった時点で告げます。名称の一部や略称、フランチャイズの名称だけでは、商号を告げたことにならないとされています |
| かける時間帯[1][2] | 迷惑を覚えさせるような時間に電話すること | 通知は、相手の承諾がある場合などを除き、午後9時から午前8時までの電話による勧誘は、一般にこれに当たるとしています。相手の職業や生活習慣によって個別に判断されます |
| 断られた後[1][2] | 契約を結ばない、または勧誘を受けたくないという意思を示した相手に、勧誘を続けること | その場で続けることも、日を改めて電話することも対象です。同じ会社のほかの担当者も同じです |
| 判断を急がせない[1][3] | 正当な理由なく、契約するかどうかを判断するのに必要な時間を与えないこと | 事実と違う期限を示して、その日のうちの申込を迫りません |
| 長い電話・しつこい電話[1][2] | 深夜や長時間の勧誘など、私生活や業務の平穏を害する方法で相手を困らせること | 通知は、勤務時間中と知りながら執拗に勧誘することも、例に挙げています |
断られた後の扱いについて、通知は、相手が何を断ったかによって再び勧誘できない範囲が変わるとしています。『御社からの勧誘は結構です』と言われた場合は、その会社が行う勧誘のすべてが対象になります。何を断られたのかを、相手の言葉のまま記録します。[2]
ここからは、これらのルールを守るためのWalkersの提案です。新しい物件を案内して申込を勧める電話は、契約の勧誘にあたるものとして、この表のとおりにかけます。電話をかける前に、問い合わせ一覧で断られた記録と電話に出やすい時間帯を確認します。店舗の誰が電話しても同じ記録を見られるようにしておくと、別の担当者が知らずに電話することを防げます。電話で受けた停止の希望は、メールの配信設定にも同じ日のうちに反映します。
電話の後に残す記録
電話の内容は、メールと違って文面が残りません。電話を切ったら、次に対応する人が読んで分かる形で残します。
電話1本ごとに残す7つのこと
- 日時と、受けた電話かかけた電話か折り返しの約束や、断られた日を後から確かめられるようにします。
- 話した相手と折り返し先名前と電話番号。家族など本人以外が出た場合は、その旨も残します。
- 問い合わせの物件と掲載サイト物件名、部屋番号、賃料、どのサイトを見て電話したか。
- 伝えた募集状況と、確認した時刻『〔時刻〕に管理会社へ確認し、募集中と回答』のように残します。
- 希望条件と、まだ確認できていないこと相手が話した条件だけを残し、担当者の推測は書きません。
- 次の約束折り返しや内見の日時と、誰が連絡するか。
- 連絡方法の希望と、断られた内容電話に出やすい時間帯、メールを希望するか。断られた場合は、相手の言葉と止めた範囲。
折り返しの後の確認メール、内見の日程の候補、配信停止を受け付けたときの返信など、場面別の例文10通を確認できます。
記事を読む →よくある質問
- 追客電話は何時から何時までならかけてよいですか?
- 国土交通省の通知は、相手の承諾がある場合などを除き、午後9時から午前8時までの電話による勧誘は、一般に迷惑を覚えさせるような時間の勧誘に当たるとしています。ただし、相手の職業や生活習慣によって個別に判断されるため、電話に出やすい時間帯を相手に聞いて記録しておきます。[2]
- かかってきた問い合わせ電話でも、最初に会社名と名前を名乗る必要がありますか?
- 施行規則が勧誘の前に告げるよう求めているのは、契約の勧誘をするときです。通知は、相手が店舗を訪れた場合は、物件の具体的な説明を始める時点で告げる必要があるとしています。受けた電話でも正式な会社名と名前を名乗っておくと、相手は誰と話しているかを確かめられ、折り返しの電話にも出やすくなります。[1][2]
- 一度断られた人に、何か月か後にもう一度電話してもよいですか?
- 通知は、相手が将来にわたってすべての勧誘を断った場合などを除き、将来にわたって勧誘がすべて禁止されるわけではないとしつつ、慎重に対応することが望ましいとしています。改めて連絡する場合は、新しい案内であることを伝え、話を聞く意思があるかを最初に確かめます。『御社からの電話は不要』と言われた記録がある人には電話しません。[2]
参考資料
本記事の事実、制度、製品の機能や料金、導入事例は、各参考資料に表示した「確認日」時点の公開情報に基づいています。 内容は変わることがあります。記事で紹介した制度や製品を実際に使う際は、最新の法令、ガイドライン、各社の公式情報をご確認ください。
- [1]宅地建物取引業法施行規則 第16条の11(契約の勧誘をするときに禁止される行為)e-Gov法令検索/確認日 2026.09.30
- [2]「宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令」の運用について(国土動指第26号、平成23年9月16日)国土交通省/確認日 2026.09.30
- [3]宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(令和8年4月1日施行版)国土交通省/確認日 2026.09.30
- [4]不動産の表示に関する公正競争規約・「おとり広告」の規制概要(電話による説明を含む物件広告のルール)不動産公正取引協議会連合会/確認日 2026.09.30
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