不動産業務改善

物件への問い合わせを受けたら何をする?受付から来店・連絡を止めてほしいと言われたときまでの6段階

SUUMOなどの物件掲載サイトから問い合わせが来た後の仕事を6段階で説明します。過去にも同じ連絡先から問い合わせがあったか、以前に『もう連絡しないで』と言われているかを確認します。そのうえで、誰が担当し、最初の返信をいつまでに送るかを決めます。その後、希望を聞いて物件を紹介し、来店担当へ引き継ぎます。

執筆:株式会社Walkers編集部

物件への問い合わせが届いても、担当者が決まらない、返信した記録が残らない、連絡を止めてほしいという希望が共有されない、といったことが起こります。メールの文章を考える前に、誰が・いつまでに・どこへ記録するかを決める必要があります。

この記事では、居住用賃貸の問い合わせを扱います。物件掲載サイトから問い合わせを受けてから、来店・物件を見に行く案内へ引き継ぐか、今回の対応を終えるまでを6段階で説明します。

誰が担当し、最初の返信をいつまでに送り、どの連絡を止めるかという考え方は、売買物件の購入相談にも使えます。ただし、売却価格の目安を出す依頼、事業用物件、物件管理の問い合わせは対象外です。

この記事のポイント

最初に決めるのはメールの文章ではありません。

誰が担当するか、その人が休みのときは誰が代わるか、最初の返信をいつまでに送るか、連絡を止めてほしいという希望をどこへ記録するかです。

来店担当へは、現在の希望、すでに紹介した物件、顧客との約束、まだ確認できていないこと、希望する連絡方法、どの連絡を止めるかを渡します。

電話番号やメールアドレスが過去の記録と同じでも、本人と確認できるまでは一つの記録にまとめません。

  • 電話番号やメールアドレスが一致しても、本人と確認できるまで、今回と過去の記録を一つにまとめない
  • 『メールだけ止めてほしい』のか、『電話や物件案内もすべて止めてほしい』のかを分けて記録する
  • 来店担当へ渡すのは、現在の希望、すでに紹介した物件、約束、まだ確認できていないことです。あわせて、希望する連絡方法と、どの連絡を止めるかも渡す
根拠となる参考資料を見る

問い合わせの受付から来店・対応終了までの6段階

専用の顧客管理システムを使う場合も、店舗全員が見られるメール受信箱とExcel・Googleスプレッドシートから始める場合も、誰が担当するか、最初の返信をいつまでに送るか、『もう連絡しないで』と言われているかを同じ一覧で確認できるようにします。

一件の問い合わせを、受付から対応終了まで進める

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    問い合わせを受け付ける

    受付担当が、問い合わせが届いた物件掲載サイト・電話・メール、対象物件、受信時刻、連絡先、問い合わせ内容を確認します。

    システムが問い合わせを自動で集める場合も、受付担当が対象物件、受信時刻、連絡先に不足がないか確認し、問い合わせ一覧に受け付けたことを記録します。

    社内で個人情報の管理を担当する責任者が、法令や契約上残す必要がある情報と期間を確認し、問い合わせ内容の保存期間を決めます。受付担当は、その期間と社内の削除手順に従います。

    ここまでできたら:新しい問い合わせとして、受信時刻と対象物件が分かる記録

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    過去に同じ連絡先から問い合わせがあったか、『もう連絡しないで』と言われているか確認する

    受付担当または今回の問い合わせを担当する予定の人が、今回の連絡先、過去の顧客記録、『もう連絡しないで』と言われた記録を確認します。

    ここで示す本人確認の方法は、別人の情報を誤って見せないためのWalkersの提案です。同じ電話番号やメールアドレスの過去記録が見つかっても、家族などが共用する連絡先かもしれないため、本人と確認できるまでは一つにまとめません。

    まず『以前にも当社へ問い合わせたことがありますか』と尋ねます。『ある』と答えた場合は、いつ頃・何について問い合わせたか、その連絡先を本人以外も使うかを確認します。

    同じ連絡先に『もう連絡しないで』と言われた記録がある場合は、本人確認が終わるまで、今回と過去の記録を一つにせず、その連絡先への自動の継続的な物件案内も始めません。今回届いた新しい質問への回答は、一件の回答として分けて記録し、以前止めた物件案内を再開しません。

    答えが過去記録と一致し、本人だけが使う連絡先だと確認できた場合に限り、今回と過去の記録を一つにまとめます。そのうえで、連絡を止める対象が誰か、どの連絡方法か、何についての連絡かを本人へ確認し、記録を更新します。後で自動送信される予定のメール・LINE・携帯電話のショートメッセージ(SMS)があれば、すぐに取り消し、取り消せたかを記録します。

    ここまでできたら:過去の記録の有無と、同じ本人か確認した結果が記録されています。本人と確認できるまでは、過去と今回の記録を一つにせず、自動の継続的な物件案内も始めていません。新しい質問への回答と、以前止めた物件案内は分けて記録されています。本人と確認できた後は、誰への連絡を、どの連絡方法で、何について止めるかが記録されています。

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    誰が担当するか、休みのときは誰が代わるか、最初の返信をいつまでに送るかを決める

    店舗責任者またはその時間帯に問い合わせ受付を担当する人が、新しい問い合わせ、当日の勤務状況、それぞれの担当者が対応中の件数を確認します。

    この問い合わせの担当者と、その人が休みのときに代わる人を決めます。最初の返信をいつまでに送るかも記録します。受付メールを自動で送る場合は、問い合わせを受け取ったことと、担当者がいつまでに連絡するかだけを伝えます。

    ここまでできたら:担当者、休みのときに代わる人、最初の返信を送る期限

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    現在の希望を聞く

    問い合わせの担当者が、問い合わせ内容、今回の会話、本人が希望する連絡方法を確認します。

    希望エリア、予算、間取り、入居時期、連絡方法など、今回の提案に必要な内容を確認します。本人が話した内容だけを希望条件として記録し、担当者の推測は希望条件に入れません。

    ここまでできたら:今回確認した希望条件、まだ確認できていないこと、連絡方法

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    募集中の物件を提案する

    問い合わせの担当者が、現在の希望条件、今も紹介できると確認した物件、本人が希望する連絡方法、止めてほしい連絡(メールだけか、契約案内・物件案内をすべてか)を確認します。

    希望に合う点と合わない点を示し、確認時点で紹介できる物件を提案します。提案した物件、送信内容、顧客からの返信を記録します。顧客と次に連絡する約束をした場合は、その日付も記録します。

    ここまでできたら:すでに紹介した物件、送信内容、顧客からの返信、必要な場合の次回連絡日

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    来店・物件を見に行く案内へ引き継ぐか、問い合わせ対応を終える

    問い合わせ担当者と、来店・物件を見に行く案内へ進む場合の担当者が、現在の希望、すでに紹介した物件、来店日時、約束、まだ確認できていないこと、本人が希望する連絡方法、止めてほしい連絡(メールだけか、契約案内・物件案内をすべてか)を確認します。

    来店・物件を見に行く案内へ進む場合は、現在の希望、紹介した物件、来店日時、約束、まだ確認できていないことを担当者へ渡します。

    進まない場合は、次の作業があるかを確認します。ある場合は、その内容、担当者、期限を記録します。今回の問い合わせを終えたか、連絡を止める希望を受け付けたかも記録します。

    ここまでできたら:来店担当へ渡した内容が記録されています。次の作業がある場合は、その内容・担当者・期限も記録されています。今回の問い合わせを終えたか、連絡を止める希望を受け付けたかも分かります。

問い合わせへの回答と、継続的な物件案内を分ける

一度問い合わせがあったからといって、物件案内をいつまでも送り続けてよいとは限りません。広告や宣伝のメールには『特定電子メール法』という法律が関係します。本人が案内を希望または承諾したかを記録し、メールには今後の受信を断る方法を表示します。[3]

連絡の種類と記録すること

表は横にスクロールして確認できます。

連絡の種類何のための連絡か記録すること終了・再開する条件
問い合わせへの回答質問された物件や条件へ答える回答した内容、まだ確認できていないこと、必要な場合の次回連絡日時または期限次のいずれかで終了します。質問への回答が完了した/本人から回答不要と伝えられた。その後に新しい質問を受けた場合は、別の問い合わせとして記録します。今後の連絡も止める場合は、別に記録します
継続的な物件案内[3]新着・類似物件などを後から案内する本人が案内を希望・承諾した日時、その希望・承諾を受けた方法(メール・電話など)、案内する物件の範囲、送信先、停止方法次のいずれかで終了します。本人から『もう連絡しないで』と求められた/本人と決めた案内期間が終わった/本人が希望した案内内容を送り終えた
『もう連絡しないで』と言われたとき[3][4]メールだけ、電話だけなど、指定された連絡方法を止める希望と、勧誘・物件案内をすべて止める希望を分けて受け付けるどの連絡を止めるか、受け付けた日時、自動送信予定のメール・LINE・SMSを取り消せたか本人から案内再開の希望を受けた場合に限り、そのとき本人が希望した案内内容と連絡方法で送信を再開する

広告・宣伝メールには、送信した会社名と、配信停止手続き用のメールアドレスまたは配信停止手続き用ページへのリンクを表示します。電話で『契約の案内は不要です』と言われたら、契約を勧める電話を続けません。[3][4]

保存する情報と、閲覧できる人を決める

個人情報保護委員会のガイドラインは、顧客情報を何のために使うかを具体的に決め、内容を正しく最新に保ち、保存期限を決めるよう求めています。必要がなくなった情報は、遅れずに削除するよう努めます。[1]

ここから示す記録方法は、このガイドラインの考え方を、日々の問い合わせ対応で実行するためのWalkersの提案です。

  • 過去の顧客記録と自動で一つにしない同じ電話番号やメールアドレスから再び問い合わせが来ても、本人と確認できるまでは今回と過去の記録を自動で一つにしません。保存期間内の過去記録には『過去の情報』と表示し、現在の希望として扱いません。保存期限を過ぎた記録は社内の決まりに従って削除します。
  • 保存する場所ごとに期間を決める社内で個人情報の管理を担当する責任者が、法令や契約上、残す必要がある情報と期間を確認します。そのうえで、物件掲載サイトから届く通知、店舗全員が見られるメール受信箱、顧客管理システム、ExcelやGoogleスプレッドシートへ書き出した顧客データについて、それぞれどれくらいの期間保存するか、誰が削除するかを決めます。[1]
  • 誰が顧客情報を見られるか決める仕事で必要な担当者だけが見られるようにします。担当変更、異動、退職のときは、不要になった『顧客情報を見る権限』を外します。[1]
  • 連絡を止めてほしいという記録は、間違って再送しないために残す問い合わせ履歴を削除する場合も、誤って再送しないために必要な連絡先、どの連絡を止めるか、停止を受け付けた日時は別に管理します。個人情報の管理責任者が、なぜ残すのか、いつまで残すのかを決めます。[1]
  • AIへ顧客情報を入力する前に、社内ルールを確認する会社が利用を許可したAIサービスだけを使います。顧客情報をAIで返信案の作成に使ってよいか、まず社内ルールを確認します。会社が指定した担当者の許可が必要な場合は、その担当者へ確認します。社内ルールや担当者が決まっていない場合は入力しません。[2][1]
  • AIサービスを提供する会社が、入力内容をどう扱うか確認するAIサービスを提供する会社が、入力内容を回答作成以外(AIの性能向上のための学習など)にも使うかを確認します。入力内容を見られる人と、削除される時期も確認します。[2][1]
  • 相談・試作では、実在しない顧客データを使うAIを使った返信案の作り方を相談・試作する段階では、実在しない顧客データを使います。[2][1]

担当者が代わるときは、現在確認できている事実だけを渡す

来店や物件を見に行く案内の担当者へ渡す情報が多すぎると、古い希望や担当者の推測が、現在の条件に混ざります。現在確認できている希望、顧客との約束、まだ確認できていないこと、本人が希望する連絡方法、どの連絡を止めるかに絞ります。

担当者が代わるときに渡す5項目

  • 現在の希望今回、本人へ確認できたエリア、予算、間取り、時期。
  • すでに紹介した物件送った物件と、本人の希望に合う点・合わない点。
  • 約束来店日時、物件を見に行く日時、用意する資料、次に連絡する期限。
  • まだ確認できていないことその物件を今も紹介できるか、条件は正しいか、本人の希望は何かなど、確認が残っていること。
  • 連絡方法と、どの連絡を止めるか本人が希望する連絡方法と、どの連絡を止めるかを記録します。メール・電話など一部だけを止めるのか、勧誘・物件案内をすべて止めるのかも区別します。

店舗全員で確認する4つのこと

  • 勤務中の確認店舗責任者またはその時間帯に問い合わせ受付を担当する人が、最初に返信すると決めた時刻を過ぎる前に、店舗全員が見られる問い合わせ一覧を確認します。
  • 勤務を交代するとき担当者が決まっていない問い合わせ、まだ返信していない問い合わせ、顧客と次に連絡すると約束している問い合わせを次の担当者へ渡します。
  • 連絡を止めた後に予定されている自動送信自動送信予定のメール・LINE・SMSが残っていれば、交代前に取り消します。自分で取り消せなければ、送信前に店舗責任者へ連絡します。店舗責任者が配信設定を変更するか、配信を管理する担当者または製品を提供する会社へ停止を依頼します。
  • 最初に返信すると決めた時刻を過ぎた問い合わせ最初に返信すると決めた時刻を過ぎたものと、顧客と次に連絡すると約束した日を過ぎたものは、一覧で分けて表示します。
NEXT問い合わせと顧客情報をまとめるツールの料金と追加作業を確認する

公式サイトに載っている料金に含まれる内容と、追加費用の見積もりが必要な作業を分けて確認できます。

参考資料

本記事の事実、制度、製品の機能や料金、導入事例は、各参考資料に表示した「確認日」時点の公開情報に基づいています。 内容は変わることがあります。記事で紹介した制度や製品を実際に使う際は、最新の法令、ガイドライン、各社の公式情報をご確認ください。

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一件の問い合わせ対応を、受付から『もう連絡しないで』と言われたときの対応まで順番に整理しませんか?

顧客名や問い合わせ本文は不要です。問い合わせが来る物件掲載サイト、1か月の問い合わせ件数、担当者の決め方、次に連絡する日の記録、どの連絡を止めるかの扱いを伺います。返信漏れ、同じ顧客へ複数の担当者が連絡すること、連絡を止めた後にメールやSMSを送ってしまうことのうち、最初に直すものを一つ決めます。

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