ノーコードやAIの発展により、業務自動化のハードルはこれまでになく下がっています。かつてはシステム開発や専門知識が必要だったワークフロー連携も、今では誰でも直感的に構築できるようになりました。
その中でも特に注目を集めているのが、ノーコード自動化プラットフォーム「Zapier(ザピアー)」です。
プログラミング不要で8,000種類以上のWebサービスを連携でき、特定の動作(トリガー)に応じて他のアプリで自動処理を実行可能。ChatGPTなどのAIツールともシームレスに連携できるため、日々の単純作業を自動化しながら、より創造的な業務に時間を使えるようになります。
ノーコード時代の「自動化の定番」として、Zapierは世界中の企業で導入が進む革新的なツールです。
この記事では、Zapierの特徴やメリット・デメリット、料金体系、基本的な使い方まで、初めての方にもわかりやすく解説します。
業務の自動化や効率化をノーコードで実現したいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
Walkersでは「最小限のコストでプロダクトを立ち上げたい」「アイデアをすぐに形にしたい」企業さまに、事業を成功に導くノーコードを用いた開発支援を行っています。
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執筆者:山口 鳳汰
ノーコード開発専門メディア「Walkersメディア」編集長。
ノーコードの電子書籍を3冊出版し、1冊はAmazonベストセラーを獲得。
その他、受託開発や教育など多数のノーコード事業に参画している。

運営会社:株式会社Walkers
ノーコード専門の開発会社。
300件以上の開発/制作実績、200件以上の企業様を支援。
マーケティングやUI/UXと掛け合わせたサービス開発を得意としている。

執筆者:山口 鳳汰
「Walkersメディア」編集長。
ノーコードの電子書籍を3冊出版し、1冊はAmazonベストセラーを獲得。

運営会社:株式会社Walkers
ノーコード専門の開発会社。
これまでに300件以上の開発/制作実績、200件以上の企業様を支援。
Zapier(ザピアー)とは?
Zapier(ザピアー)とは、日常的な繰り返し作業を自動化できるノーコードツールです。
Webアプリ間のデータ連携をプログラミング不要で実現でき、初心者でも扱いやすいのが特長です。
公式サイトによると、8,000以上のアプリと連携可能で、主要SaaSはもちろんマイナーな業務ツールにも対応しています。
たとえば、CRMに新規顧客が登録された際にSlackへ通知し、同時にGoogleスプレッドシートへデータ追記する、といった複数ツール間のワークフローをコード不要で構築できます。
開発者向けにはZapier Platformが提供されており、独自アプリやトリガー・アクションを作成して、他社ツールに対応していない連携も柔軟に実装することが可能です。
さらに最近では、Zapier独自のAIアシスタント機能も追加され、文章で指示するだけでワークフローを自動設計したり、Zapier TablesやZapier Interfacesで簡易的なシステムを構築することもできます。
その結果、Zapierは営業・マーケ・人事など、幅広い業務で活用されています。
Zapierの4つの特徴
Zapierには、他の自動化ツールとは一線を画す多くの魅力があります。
ここからは、その特長を解説していきます。

【特徴①】8,000超のアプリ連携が可能

Zapierは公式から8,000種類以上のWebアプリと連携可能と発表されています。
競合として有名なMakeが約1,500種、IFTTTが約900種であるのに対し、Zapierはその数で大きくリードしています。
このため、営業支援ツールやBIなど業務用ツールから、IoT・スマホアプリまで多様なサービスを繋げられます。
例えばSalesforceやHubSpotなどのCRMとGoogle Workspace、社内チャットをつなぐようなビジネス連携も、Zapierなら直感的に構築することができます。
【特徴②】コード不要で複雑なフローも自動化できる

Zapierでは1つのZap(ワークフロー)に複数の処理や条件分岐を組み込めるため、段階的・条件付きの自動化が可能です。
例えば「新規申込を受けたら顧客情報をCRMに登録→メール通知→請求システムにも連携する」など、業務ごとに複雑なフローを設定できます。
操作もGUIでドラッグ&ドロップ式なので、プログラミング知識がなくてもステップを視覚的に並べるだけでワークフローが組み立てられます。
競合のMakeがブロック線でビジュアル設計するのに対し、Zapierは上から下へのシンプルなリスト構造で直感的に理解しやすい点が特徴です。
【特徴③】柔軟な拡張性・カスタマイズ性がある

Zapierは単なるツール連携を越え、開発者向けの拡張機能が豊富です。
公式の「Zapier Platform」を使えば、独自のアプリ連携やトリガー・アクションを自作できます。
また、Zapierにはユーザーが作れるZapアプリ(Connect App)も公開されており、公式対応外のサービス連携もコミュニティや自社で開発して追加できます。
さらにZapierはAPI連携だけでなく、WebhookやJavaScript・Pythonコードを実行するステップも対応しているため、標準で難しかった処理も実装可能です。
こうした機能により、企業ごとの要件に合わせた高度な自動化にも対応できる点で他ツールより優位です。
【特徴④】AIなどの最新機能に対応・連携できる

最近のZapierはAI連携を強化しており、例えばOpenAI(ChatGPT)やClaudeなどの生成AIツールをZapに組み込んで、自動で文章生成や要約、チャットボット応答を実装できます。
また、Zapier自体にAIアシスタントが搭載され、自然言語でフロー設計をアシストする機能もあります。
加えてデータベース機能「Tables」やWeb UI作成機能「Interfaces」を使えば、ドラッグ&ドロップで業務用アプリのような独自システムを構築可能です。
こうした最先端機能を継続的に追加している点も、Zapierの大きな強みです。
これらの特徴により、Zapierは「圧倒的な連携数」と「高度な自動化」を両立した唯一無二のノーコードツールとなっています。
シンプルな操作性ながらも、条件分岐やAI連携、Webhookなど専門的な処理まで柔軟に対応できる点は、他の自動化ツールにはない強みです。
Zapierの4つの注意点
Zapierは便利ですが注意点もあります。
特に導入前に知っておくべき主なデメリットは以下のとおりです。

【注意点①】プラン制限とコストがかかる

Zapierには無料プランもありますが、Zap数や実行タスク数に制限があります。
多くのツール連携や大量の自動化を行うには、有料プランへの加入が必要です。業務で多用すると月額費用が高額になるケースもあるため、事前に必要な利用量やタスク数を把握してプラン選択する必要があります。
特にWebhookやマルチステップZapなど一部機能は有料プランでないと使えません
【注意点②】日本語に対応していない

Zapierのインターフェースと公式ドキュメントは基本的に英語のみで提供されています。
直感的とはいえ、すべて英語表記なので英語に不慣れな方にはには利用のハードルが高いかもしれません。翻訳ツールを併用しつつ操作する必要がある点を覚えておきましょう。
【注意点③】非対応アプリとの連携が難しい

先述のようにZapierは多くのサービスと連携できますが、すべてのWebアプリに対応しているわけではありません。
もし利用したいツールがZapierに登録されていない場合、そのサービス単体では連携できません(その場合はWebhookやAPI連携を自前で構築する必要があります)。
他ツールに比べ独自開発ができる一方、非対応アプリを扱うには追加開発が必須である点は理解しておくと良いでしょう。
【注意点④】高度な設定に専門知識が必要

基本的な使い方は簡単ですが、複雑なワークフローやカスタム連携を組む際にはプログラミングやAPIの知識が求められる場合があります。
高度な条件分岐や独自アプリ作成の際は試行錯誤が必要で、エラー対処も含めて慣れないうちは学習コストがかかります。また大企業向け機能(ユーザ管理やセキュリティ制御など)を活用するには運用の知識も必要になるため、導入前に運用体制の整備も念頭に置く必要があります。
これらの注意点を踏まえつつ運用すれば、Zapierは「最小限の操作で最大の自動化」を実現できる非常に強力なツールです。英語UIや料金面でのハードルはあるものの、連携数の多さと柔軟なカスタマイズ性は他ツールの追随を許しません。
日々の業務を効率化し、時間をより価値ある仕事に使いたい方にとって、Zapierは間違いなく頼れる選択肢となるでしょう。
Zapierの料金プラン
Zapierには、用途や利用規模に応じて選べる複数の料金プランが用意されています。
無料で試せるプランから、ビジネス利用に最適な上位プランまで段階的に構成されており、利用可能なZap数・タスク数・機能範囲がプランごとに異なります。
ここでは、それぞれのプランの特徴や違いについて解説します。
Freeプラン 無料 | Professionalプラン $19.99/月(年契約) $29.99/月(月契約) | Teamプラン $69/月(年契約) $103.5/月(月契約) | Enterpriseプラン 要問い合わせ | |
---|---|---|---|---|
ワークフローの構築 | ||||
月間タスク数 | 100 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
Zapの実行 | 月間のタスク内のみ実行可 | |||
ワークフローのステップ数 | 2 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
Webhookの利用 | ||||
OpenAIのサービス連携利用 | ||||
ユーザーの招待・共同編集招待 | 25人まで | 無制限 |
Zapierは無料から利用を始められますが、本格的な自動化や業務連携を行う場合は、有料プランの検討が現実的です。特に、複数のステップを含むワークフローやWebhook連携、AIとの統合を活用したい場合は上位プランが必須となります。
自社の業務量や自動化の範囲に応じて、最適なプランを選択することが、コストを抑えつつ最大の効果を得るポイントです。
Zapierの使い方
サービス名で実際にサイトを作成・公開する(サービス内容に応じて変更)基本的な流れを解説します。

公式サイト右上の「Sign up」をクリックし、Zapierに会員登録を行います。

会員登録後に表示されるアンケートに回答を行います。
アンケートの中では、「普段よく使うツール」を選択する画面があるため、この画面では欠かさずにツールの選択を行いましょう。
ここで選択したツールを用いたテンプレートが後ほど優先して表示されます。

会員登録とアンケートへの回答が全て終わると、Zapierのトップページが表示されます。
「AIとのチャット」または「テンプレート」から、Zapierで自動化したいワークフローのプロジェクトを作成します。

Zapの構築画面では、「+(プラス)ボタン」や「点線で囲われたブロック」をクリックして、ワークフローの構築・カスタマイズを行います。

Zapの構築が完了したら、画面右上の「Test run」をクリックし、動作確認を行います。
動作確認が問題なく行えたら、「Publish」をクリックし、Zapを公開します。
Zapierは「誰でも使える自動化プラットフォーム」として、ノーコード時代の代表的な存在となっています。
コードを書かずに8,000以上のサービスを連携し、業務効率化からAI連携まで幅広く活用できるのが大きな魅力です。
一方で、英語UIや無料プランの制限、非対応アプリへの連携など注意すべき点もあるため、本記事を参考にしながら、目的や運用体制に合った使い方を検討してみてください。
「日々の定型業務を自動化し、よりクリエイティブな仕事に時間を使いたい。」
そんな方にとって、Zapierは間違いなく最強の選択肢となるでしょう。
Zapier(ザピアー)の解説は以上です。この情報がZapierへの理解を深める助けになれば幸いです。
弊社Walkersでは「最小限のコストでプロダクトを立ち上げたい」「アイデアをすぐに形にしたい」企業さまに、ノーコードツールを活用した開発支援サービスを提供しています。プロダクト開発・AI活用にお悩みがある方はお気軽にご相談下さい。
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