ノーコード技術の進化によって、アプリ開発の世界は大きく変わりつつあります。
これまでエンジニアに依頼しなければ実現できなかったスマホアプリ開発も、今では自分の手で簡単に形にできる時代になりました。
その中でも注目されているのが、プログラミングなしでスマホアプリを作れるノーコードツール「Adalo(アダロ)」です。
Adaloは、画面設計からデータベース管理、動作ロジックの設定、アプリの公開までをすべてブラウザ上で完結できるプラットフォームです。
直感的な操作でアプリを構築でき、iOS・Androidの両アプリストアにアプリを公開できるほか、WebアプリやPWAとしても配信可能です。
コーディング不要でありながら、本格的なUI設計やユーザー体験を実現できる点が大きな魅力です。
一方で、無料プランの制限や動作速度、日本語非対応といった課題はありますが、「自分でアプリを作ってみたい」「ビジネスをアプリ化したい」という方にとって、Adaloは最初の一歩として最適なノーコード開発ツールといえるでしょう。
この記事では、ノーコードアプリ開発ツール「Adalo」について解説します。ノーコードで初めてアプリを開発してみたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
Walkersでは「最小限のコストでプロダクトを立ち上げたい」「アイデアをすぐに形にしたい」企業さまに、事業を成功に導くノーコードを用いた開発支援を行っています。
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執筆者:山口 鳳汰
ノーコード開発専門メディア「Walkersメディア」編集長。
ノーコードの電子書籍を3冊出版し、1冊はAmazonベストセラーを獲得。
その他、受託開発や教育など多数のノーコード事業に参画している。

運営会社:株式会社Walkers
ノーコード専門の開発会社。
300件以上の開発/制作実績、200件以上の企業様を支援。
マーケティングやUI/UXと掛け合わせたサービス開発を得意としている。

執筆者:山口 鳳汰
「Walkersメディア」編集長。
ノーコードの電子書籍を3冊出版し、1冊はAmazonベストセラーを獲得。

運営会社:株式会社Walkers
ノーコード専門の開発会社。
これまでに300件以上の開発/制作実績、200件以上の企業様を支援。
Adalo(アダロ)とは?
Adalo(アダロ)とは、プログラミング知識がなくてもスマートフォン向けのアプリを作成できるノーコードのアプリ開発プラットフォームです。
2018年に米国のスタートアップ企業によってサービスが公開され、当初はモバイルアプリ開発に特化してスタートしましたが、現在ではWebアプリやPWA(プログレッシブウェブアプリ)の開発にも対応しています。
従来、iOSやAndroidのネイティブアプリ開発にはSwiftやKotlinといった高度なプログラミングが必要でした。
しかしAdaloなら専用ソフト不要のクラウド上で完結し、ブラウザ上のエディタで画面デザインからデータベース設定、動作のロジック構築まで直感的に行えます。
作成したアプリはそのままiOS/Androidアプリとしてストアに公開でき、またWeb上にPWAとして公開することも可能です。
アイデアはあるもののコーディングができないという初心者にとって、Adaloはアプリ開発のハードルを大きく下げる強力なツールと言えるでしょう。
誰でも手軽に本格的なアプリ開発に挑戦できるようになるのがAdaloの魅力です。
Adaloの4つの特徴
Adaloが多くのユーザーに利用される理由として、次の4つの特徴が挙げられます。

【特徴①】直感的なドラッグ&ドロップ操作

Adalo最大の特徴は、コードを書かずにビジュアル操作だけでアプリ画面を構築できる点です。
あらかじめ用意されたコンポーネント(部品)を好きな位置にドラッグ&ドロップして配置し、テキストやボタン、画像などのUI要素を直感的に配置していきます。
フォントや色、アイコンなども自由にカスタマイズ可能で、自社のブランドイメージに合わせたオリジナルアプリの画面デザインを簡単に作成できます。
専門知識不要のわかりやすい操作性により、アプリ開発未経験の方でも思い描いた画面をすぐ形にすることができます。
【特徴②】豊富なコンポーネントとテンプレート

フォーム入力やリスト表示、ナビゲーションメニューなど多数の標準コンポーネントが用意されており、必要な機能をブロック感覚で追加できます。
さらにアプリテンプレートもジャンル別に豊富に用意されています。
例えばSNS風掲示板やToDoリスト、予約システムなどの雛形からプロジェクトを始められ、ログイン画面や一覧画面など基本構造が最初から出来上がっています。
テンプレートを基に配色やレイアウトを調整したり、不要な画面を削除してカスタマイズすることで、ゼロから作るより素早くアプリを完成させることができます。
また、企業や有志が作成した追加コンポーネントを入手できるコンポーネントマーケットプレイスもあり、必要に応じて無料・有料のパーツを組み込んで機能拡張することも可能です。
【特徴③】バックエンド機能の内蔵

Adaloはフロントエンドの画面構築だけでなくデータベース(バックエンド)機能も標準搭載している点も強みです。
アプリ内で扱うデータは「コレクション」としてスプレッドシート感覚で作成でき、ユーザー情報や商品リストなどのデータ構造を直感的に設計できます。
構築したデータベースは自動的にクラウド上にホスティングされるため、サーバー構築やSQLの知識がなくてもバックエンドを含めたアプリ全体を完結できます。
さらに必要に応じて外部のデータソースと連携でき、例えばAirtableやXanoといった外部データベースを接続して利用することも可能です。
この柔軟なデータ管理機能により、アプリの裏側(サーバーサイド)まで一貫してノーコードで構築できるのがAdaloの利点です。
【特徴④】モバイルアプリ開発に強い

Adaloはスマートフォンアプリの本格開発に適した機能が揃っています。
作ったアプリはワンクリックでiOS/Android向けにビルド出力でき、App StoreやGoogle Play Storeへの公開もサポートされています。
一つのプロジェクトからiOS版・Android版を同時に作成できるため、複数プラットフォームへの展開も容易に行えます。
また、スマホ固有のネイティブ機能(プッシュ通知やGPS、カメラ等)にも対応しており、新着情報のプッシュ通知送信や現在地情報の取得と地図表示といった機能もノーコードで組み込めます。
加えてアプリ内課金(サブスクリプションやアイテム販売)など収益化の仕組みも外部サービス連携によって導入可能です。
このようにスマホアプリに必要な機能を包括的にカバーしているため、Adalo一つで本格的なモバイルアプリを完結させられる点が大きな魅力です。
Adaloでは、スマホアプリに必要な機能を包括的にカバーしているため、Adalo一つで本格的なモバイルアプリを構築することができます。
Adaloの4つの注意点
初めてのアプリ開発ツールとして、非常に便利なAdaloですが、注意すべき点や限界も存在します。
他のツールとの比較ではなくAdalo単体の特性として、次の4つのデメリットを押さえておきましょう。

【注意点①】無料プランの制限と有料プランのコスト

Adaloには無料で使い始められるフリープランがありますが、本格的にアプリを公開するには有料プランへの加入が必要です。
無料プランではデータベースに保存できるレコード数が200件まで、月間アクション(操作)実行数も1,000回程度までといった制約があり、作成できるアプリも1つまでに限られます。
また独自ドメインでのWeb公開やネイティブアプリのストア公開は無料プランでは行えないため、完成したアプリをユーザーに公開する段階では基本的には少なくともStarterプラン(月額$45)以上へのアップグレードが必要になります。
つまり、無料プランではAdaloでアプリを作ることは可能ですが、実運用には不向きであり、実運用を考えるとコストが発生するという点に注意が必要です。
【注意点②】動作速度やパフォーマンスに問題あり
Adaloで開発したアプリは、その手軽さと引き換えに処理速度や快適性の面で制約があります。
特にデータ件数が多かったり、GPS連携でリアルタイム性が求めるアプリでは、画面表示や処理に遅延が生じやすくなります。
たとえば大量の画像や複雑な検索機能を持つアプリをAdaloで構築すると、画面切り替えやリスト表示に時間がかかり、ユーザー体験に影響を及ぼす恐れがあります。
ネイティブコードで最適化されたアプリと比べて動作が重くなる傾向は否めず、開発者側で細かなパフォーマンスチューニングを行うこともできません。
そのため、大量データの高速処理が必要な用途にはAdaloは不向きであり、動作速度が重要なアプリでは注意が必要です。
【注意点③】実装できる機能に限界あり
Adaloは用意された機能やコンポーネントを組み合わせてアプリを構築する仕組みのため、高度なロジックや独自の機能を一から作り込むことはできません。
想定外の複雑なアルゴリズムが必要な処理や、特殊なUIデザイン・アニメーションを実現したい場合、Adaloの標準機能だけでは対応できない場合があります。
また開発者が任意のコードを挿入して機能拡張するといったことも基本的に許可されていないため、Adalo側から提供されていない機能は実装不可能です。
言い換えればAdaloの範囲内でできることには限りがあるため、あまりに独創的または専門的な機能を求めるアプリ開発には向いていません。
ある程度までの機能は直感的に作れますが、必要以上に複雑な要件がある場合は他の手段を検討する必要があるでしょう。
【注意点④】日本語でのサポート体制が弱い
Adaloはアプリ構築画面が基本的にはすべて英語で提供されています。
そのため英語に不慣れな方にとっては、画面上のメニューやエラーメッセージの理解に時間がかかったり、使い方を調べるハードルが高く感じられるかもしれません。
実際、専門用語や設定項目が英語表記のみのため、日本語で解説された情報源(有志の記事や動画など)を探しながら学習する必要が出てきます。
また不明点がありサポートに問い合わせる際も英語でやり取りする必要があるなど、日本語だけで完結しない点はデメリットと言えます。
ですが、段階的に日本語対応も進んでおり、現時点では公式サイトやログイン画面は日本語で表示されます。そのため、アプリの開発・管理画面も今後日本語に対応する可能性があります。
以上のような懸念点はあるものの、Adaloの機能拡張は日々行われており、非常に簡単な操作でアプリ開発を行うことができます。
そのため、初めてノーコードをでアプリを開発したい人にとっては、Adaloは有力な選択肢と言えるでしょう。
Adaloの料金プラン
Adaloには、利用できる機能に応じて、合計5つの料金プランが用意されています。
ここでは、それぞれの料金プラン項目を抜粋して解説します。
無料プラン 無料 | スタータープラン $36/月(年契約) $45/月(月契約) | プロフェッショナルプラン $52/月(年契約) $65/月(月契約) | チームプラン $160/月(年契約) $200/月(月契約) | ビジネスプラン $200/月(年契約) $250/月(月契約) | |
---|---|---|---|---|---|
公開できるアプリ数 | 0 テスト公開のみ可能 | 1 | 2 | 5 | 10 |
アプリ公開(App Store / Google Play) | |||||
Webアプリ(PWA)公開 | |||||
チームメンバー数 | 1 | 1 | 5 | 10 | 無制限 |
データベース容量 | 200レコードまで | 5GB | 25GB | 125GB | 500GB |
カスタムドメイン接続 | |||||
API / 外部サービス連携 | 制約あり | 制約あり | 制約あり | ||
サポート | コミュニティ | コミュニティ/メール(3営業日回答) | コミュニティ/メール(2営業日回答) | コミュニティ/メール(1営業日回答) | コミュニティ/メール(1営業日回答) |
Adaloは「学習→個人開発→チーム運用→企業導入」と段階的にスケールできる料金体系が特徴です。
Freeプランで操作性を試し、Starterで商用リリース、Professional以降でチーム拡張・API連携を導入するといった流れが現実的なプランの利用方法です。
ノーコードアプリ開発の導入から事業規模の展開まで、すべてのフェーズを1つのプラットフォームで完結できる点がAdaloの最大の魅力と言えます。
Adaloの使い方
最後に、Adaloでアプリを作り始める基本的な手順を解説します。

公式サイト上の「無料で始める」というボタンをクリックし、会員登録を行います。

会員登録を終えると、簡単なアンケートが表示されます。
ここで選択した内容をもとに、今後おすすめのテンプレートが案内されるため、誤りの内容に回答していきましょう。
アンケートの回答を進めていくと、テンプレートの選択画面やアプリ名の設定画面が表示されます。
ここで回答した内容が、一番初めに制作するアプリの基本情報となりますので、慎重に回答を進めましょう。

アンケートへの回答を終えると、自動的にアプリの構築画面に遷移します。
画面右下に表示されている「Learn Adalo」をクリックして、Adaloの操作方法を学習しながら、アプリの構築を進めていきましょう。

アプリの構築が完了したら、画面右上の「VIEW APP」をクリックして、実際のアプリの動きを確認しましょう。
ここで確認した結果をもとに、例えば「反応しないボタンがあった」や「画面が切り替わる際のアニメーションをつけたい」という修正や追加構築を行いましょう。

Adaloでは、有料プランの導入を行わないと、外部へのアプリ公開ができません。
そのため、このステップでプランのアップグレードを行います。
アプリの構築が完了したら、画面上の「UPGRADE NOW」をクリックし、プランのアップグレードを行いましょう。

アプリの構築とプランのアップグレードが完了したら、いよいよアプリの公開設定を行います。
画面左側のメニューから「歯車マーク(Settings)」をクリックして、設定画面を開きます。
この設定画面から、アプリの基本情報の入力や、アプリストアへの公開申請を行いましょう。
アプリストアへの公開申請もAdaloを通して行える点が、他のサービスにはない特徴となっています。
以上がAdaloでのアプリ開発方法の基本的な流れです。
Adaloでは「公式ヘルプサイト」や「公式ユーザーコミュニティ」が用意されているため、分からない点はそれぞれのサポートを活用して、アプリ開発を進めましょう。
Adaloは「アイデアはあるのにコードが書けない」人々の夢を形にするノーコードツールです。
ドラッグ&ドロップ中心の直感的な操作で、本格的なスマホアプリを誰でも作り始めることができます。
その一方で、扱える機能の範囲やパフォーマンス面での限界、そして日本語未対応といった注意点もありますが、アプリの用途によっては問題なく活用できるでしょう。
アプリ開発のハードルを大きく下げてくれるAdaloは、まさに初心者にとって強い味方です。
もし「こんなアプリがあったら便利なのに」といったアイデアをお持ちの場合、ぜひAdaloでその第一歩を踏み出してみてください。
最初は無料プランで気軽に試し、感触を掴んだら本格的なプロジェクトに挑戦してみましょう。
Adalo(アダロ)の解説は以上です。この情報がAdaloへの理解を深める助けになれば幸いです。
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