
パッキンとガスケットは、液体や気体の漏れを防ぐために用いられるシール材です。製造業に欠かせない資材ですが、常に残材課題がありました。
株式会社カウダムは、残材課題の解消を目指し、2024年6月からパッキン・ガスケット業界向け残材流通マッチングサイト「カウダム」をリリースしました。
Walkersの「品質改善ラボ」を導入し、毎週1時間オンラインでミーティングしながら、サイト改善を進めています。その結果、ユーザーの声を反映した使い勝手の良いサービスへと成長。2025年10月16日に、廃棄削減量(販売量)が2,000kgを突破しました。
株式会社カウダム 代表取締役社長 坂本直輝さんに、導入の経緯や成果についてお話を伺いました。
改善スピードの遅さがサービス成長のボトルネックに。迅速化が不可欠だった

―「カウダム」が生まれた背景やサービスの概要についてお聞かせください。
坂本:パッキン・ガスケット業界の、残材課題を解消するためです。私は株式会社ハンワで、パッキン・ガスケット加工事業に20年間従事してきました。そのなかで、この業界が長年抱える課題を肌で感じてきたんです。
パッキン・ガスケット加工では、メーカーから決まったサイズのシートを仕入れ、注文に応じて加工します。お客様からのご注文にはサイズの偏りがあるため、どうしても「価値はあるのに使い道のない残材」が大量に出てしまいます。
保管するにもスペースのコストがかかりますし、まだ使える部分があっても結局は処分せざるを得ない。この状況を、長年「もったいない」と感じ続けてきました。
付き合いのある同業者間で売買することはあるのですが、それだけでは限界があります。この課題を全国規模で解決するには、残材を捨てるのではなく、利益に変える仕組みが必要だと考え、残材を売りたい会社と買いたい会社・人をマッチングするカウダムの立ち上げを決意しました。
―Walkersに依頼をする前は、どのような課題をお持ちだったのでしょうか?
坂本:改善スピードが最大の課題でした。以前保守を依頼していた会社は、何段階かにわたって外部委託をしていたこともあり、対応に時間がかかり、コミュニケーションコストも高いという問題が発生していました。
製造業の事業フローは、業界外の方からはわかりにくく、要件定義をする際にわかりやすく説明したり、細かく指示をしたりする必要がありました。しかし、間に複数の人が入ることで、正しく意図が伝わらない場面が多かったんです。
また、成果物が見えにくいという問題もありました。改善を依頼してから成果物の納品まで時間がかかるため、保守料金に対する効果が把握できていませんでした。
新サービスを成功させるためには、ユーザーの声や市場の変化に応じて、積極的に仕様の改善や機能の追加をしなければいけません。そうしたなかで、対応にかかる時間の長さがボトルネックになっていました。
― Walkersに依頼する決め手はなんだったのでしょうか?
坂本:一番は、Bubbleに特化しているという点ですね。前の会社さんは、Bubbleの経験が浅く、最適な構築ができていない部分がありました。
一方、WalkersさんはBubbleを熟知しておられるように感じました。費用もリーズナブルで、費用対効果が期待できたため、すぐに依頼を決めました。
また、「Tech Studio(テックスタジオ)」という実践的なノーコード開発スキルを学べるオンラインスクールを運営していて、内製化までサポートいただけるのも大きかったです。
ユーザーの声によりスピーディーかつ柔軟に対応できるよう、ゆくゆくは自社で保守・運用していきたいと考えています。目の前の改善だけでなく、将来を見越した内製化まで支援いただけるのは、非常に素晴らしいですね。
満足度100点のスピード対応。毎週1時間のミーティングで認識のズレなく改善

― Walkersに依頼してから、どのような点が改善されましたか?
坂本:改善スピードが大幅に上がりました。前の開発会社との最大の違いは、開発を担当するWalkersさんと直にやり取りできる点です。
毎週決まった時間に画面を共有しながら一緒に作業を進めていくため、お互いの認識のズレがありません。もちろん製造業ならではの背景や希望する機能などの説明は必要ですが、スムーズに意思疎通ができ、改善にかかる期間を大幅に短縮できています。
実際にサイトを運用していく中で出てくるさまざまな改善点に対し、迅速に対応していただけることが非常にありがたいです。
―特に成果を感じる取り組みについてお聞かせください。
坂本:検索機能を改善できたことです。以前は残材の検索があまり機能しておらず、ユーザーが探している残材になかなかたどり着けない状態でした。
使いやすさに直結する部分なので、優先的に改善した結果、大幅に利便性が向上しました。今後もアップデートを重ねて、より使いやすいサイトにしていきたいですね。
作成いただいたバナーを通じて、取引が成立した事例もあります。販売会社の取り組みを紹介する広告バナーをカウダム上に設置していて、それを見たユーザーが直接販売会社に問い合わせてくれたんです。お客様のお役に立ち、さらなる価値提供につながりました。
― Walkersのサポートについて、満足度を教えてください。
坂本:満足度は100点です。「とにかく早く改善したい」という要望に対して、本当にスピーディーに対応していただけました。レスポンスも早く、「ようやく理想の運用方法が完成した」と感じています。
当社では積極的にユーザーアンケートを行い、要望を反映することを大切にしています。そうした取り組みをするうえで、迅速に対応いただけるのは、非常に心強いです。
簡単な改善であれば、その場で対応し、実際の動作を確認できます。ここまでのスピード感でサイトを最適化できるというのは、他社ではなかなかないと思います。
製造業の現場理解×ITの知見で、業界が本当に欲しいシステムを届けたい

―今後、カウダムをどのように改善していこうと考えていますか?
坂本:直近では、Excelで管理しているデータをカウダムと統合して、処理できるようにしたいと考えています。Walkersさんに相談したところ、想定よりも大幅に早いペースで作れると知り、スピード感に驚いています。
これまでは、領収書やお支払い明細書といった、購入者や出品者に発行する取引完了の証明書類を作成する際、複数のExcelデータとカウダムを手動で照らし合わせており、二度手間が発生していました。
お金に関わる作業なので「ミスが許されない」というプレッシャーが大きく、注文の多い時期は疲れ切っていました。この作業がスムーズになるだけで、時間的にも精神的にもゆとりが生まれるはずです。その分、サービス改善などの施策に頭を使えるようになり、カウダムを進化させられると期待しています。
― 今後、Walkersに期待することがあればお聞かせください。
坂本:ビジネスパートナーとして、一緒に製造業向けのDX支援事業に取り組んでいただきたいと考えています。Walkersさんのサポートを受けるなかで、Bubbleを活用すれば、質が高くセキュリティがしっかりしているプラットフォームをリーズナブルな価格で運用できると知りました。
製造業界は業務プロセスが特殊なため、一般的なツールでは対応が難しく、DX化があまり進んでいない現状があります。私自身は製造業の現場をよく理解しているため、現場で使いやすいシステムを具体的にイメージできています。
WalkersさんのITに関する知見・技術と、当社の現役製造業者ならではのビジネス理解を活かせば、製造業界が本当に欲しいシステムを届けられるはずです。
業務効率化を通して、製造業本来の事業に集中できる環境づくりをすることで、業界全体の活性化につなげたいですね。
株式会社カウダム様のサービス改善に携わり、貴社のご期待に応える成果をお届けできましたことを、心より光栄に存じます。
今後もWalkersは、単なるシステム構築にとどまらず、お客様の課題を本質から捉え、より大きな価値を創出する開発に努めてまいります。
