Google Workspace Studioは、最新の生成AI技術と業務アプリ統合を組み合わせたワークフロー自動化ツールです。ノーコードで使える手軽さからエンジニアではない層からも利用されており、日々のルーティンワークを大幅に効率化できます。利用にはGoogle Workspaceの有料契約が必要ですが、Google Workspace 各サービスとの密接な連携とGeminiのAIパワーにより、これまで手作業に費やしていた時間を大幅に削減できるため、より創造的なコア業務に集中できる環境を整えられるツールとして注目を集めています。
この記事では、Googleのワークフロー自動化ツール「Google Workspace Studio(グーグル ワークスペース スタジオ)」について詳しく解説します。Google Workspace Studioの特徴や料金プラン、具体的な使い方まで網羅していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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執筆者:山口 鳳汰
ノーコード・AI開発会社「Walkers」のCMO。
AIサービス「Prompt Lab」運営。
その他、受託開発や教育など多数のAI事業に参画している。

運営会社:株式会社Walkers
ノーコード・AI専門の開発会社。
300件以上の開発/制作実績、200件以上の企業様を支援。
マーケティングやUI/UXと掛け合わせたサービス開発を得意としている。

執筆者:山口 鳳汰
ノーコード・AI開発会社「Walkers」のCMO。
AIサービス「Prompt Lab」運営。

運営会社:株式会社Walkers
ノーコード・AI専門の開発会社。
これまでに300件以上の開発/制作実績、200件以上の企業様を支援。
Google Workspace Studio(グーグル ワークスペース スタジオ)とは?
Google Workspace Studio(グーグル ワークスペース スタジオ)とは、Googleが提供する業務自動化プラットフォームです。
GmailやGoogleドキュメント、スプレッドシート、カレンダーなど、各種Google Workspaceアプリを横断的に連携させ、AIエージェントによるワークフロー自動化を実現します。
専門的なコーディングは不要で、ノーコードかつ日本語や英語といった自然言語で指示を出すだけで、自動化フローを設計できます。ユーザーはこのスタジオ上で「Gemini 3」を活用したAIエージェントを管理・共有でき、日々の煩雑な業務をAIに任せることが可能です。
もともとは「Google Workspace Flows」という名称でアルファ版として提供されていましたが、2025年12月に「Google Workspace Studio」として正式リリースされ、現在はGoogle Workspaceを利用するビジネスユーザー向けに一般提供が開始されています。
Google Workspace Studioの4つの特徴

【特徴①】ノーコードでAIワークフローを構築できる

Google Workspace Studio最大の特徴は、プログラミング不要でAIワークフローを構築できる点です。
直感的なUIと自然言語入力に対応しており、やりたい業務内容を日本語で入力するだけで、AI(Gemini)が必要な処理ステップを自動的に組み立ててくれます。
例えば、
「メールを受信 → 本文と添付ファイルを読み取り → 内容をドキュメントにまとめ → チームに共有」
といった複数工程の業務も、専門知識なしで数分で自動化できます。
従来のRPAツールのように細かな条件設定や分岐ルールを手作業で組む必要がなく、初期構築の手間を大幅に削減できる点は大きな魅力です。AIが意図を理解してフローを構成してくれるため、非エンジニアでも扱いやすい設計になっています。
【特徴②】Google Workspaceを横断したデータ連携

Gmail、Googleドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、カレンダー、Google Chatなど、Google Workspaceの主要アプリとネイティブに連携できる点も大きな強みです。
受信メールを自動で分類し、添付ファイルをDriveに保存し、内容をスプレッドシートへ記録したうえでChatに通知する、といった複数アプリをまたぐ処理を一つのワークフローとして統合できます。
すべて公式APIやコネクタを通じて動作するため信頼性が高く、データもWorkspaceのセキュリティポリシー内で安全に処理されます。
さらに、Asana・Salesforce・Mailchimpなどの主要な外部業務ツールとも連携可能で、社内外のツールを含めたエンドツーエンドの業務自動化を実現できます。
【特徴③】Gemini統合による高度なAI処理

Google Workspace Studioは、Geminiモデルと深く統合されている点も大きな特徴です。
これにより、従来のワークフロー自動化では難しかった「知的作業」も自動化の対象に含めることができます。
具体的には、
- メールやドキュメントの要約
- 重要情報の抽出や分類
- 内容に応じた判断や分岐
- 文章の自動生成
といった処理をワークフローの一部として組み込むことが可能です。
単なる条件分岐ではなく、AIの推論力を活かして状況に応じた柔軟な判断ができるエージェントを作れる点は、従来型RPAとの大きな違いと言えるでしょう。
【特徴④】チームでの共有とエンタープライズ対応

Workspace Studioで作成したワークフローは、チーム内で簡単に共有できます。
Googleドライブのファイル共有と同じ感覚でエージェントを公開できるため、導入や展開のハードルも低く、業務プロセスの標準化や属人化の解消につながります。
管理者向け機能も充実しており、管理コンソールから「フローの実行権限」や「利用状況やログ」を一元管理できます。
また、企業向けの高いセキュリティ基準のもとで設計されており、AIが扱うデータがモデル学習に利用されないなど、情報管理面にも配慮されています。
個人利用から大規模組織まで、スケーラブルに導入できる設計である点も、ビジネス用途で評価されている理由の一つです。
Google Workspace Studioと類似サービスの比較
| ツール名 | 概要・主な用途 | AI機能の特徴 | 料金 |
|---|---|---|---|
| Google Workspace Studio | Google Workspace上で構築可能で、Gmail・Docs・Sheets などを横断した業務フローを自動化 | Gemini 3を深く統合。自然言語で目的を伝えるだけで、AIが判断・要約・分類を含むフローを自動構築 | Google Workspaceの契約が必要。Studio自体は追加料金なし(Gemini利用は管理者設定が必要) |
| Microsoft 365 Copilot | Word・Excel・OutlookなどMicrosoft 365 アプリ内で文章作成や要約を支援するAIアシスタント | GPT系モデルによる対話型生成AI。資料作成やメール下書きなど「人の作業補助」が中心 | Microsoft 365契約+Copilotライセンス(月額約 30ドル/ユーザーなど)が必要 |
| Zapier | 数百種類のWebサービスを接続する汎用ワークフロー自動化ツール | 基本はルールベース自動化。AI機能は外部API連携として利用。 | 無料枠あり。本格利用は有料(月額数千円~)。英 語UIが中心 |
| n8n | オープンソースの自動化ツールで、自社サーバーでの運用も可能 | API経由で外部AIを自由に組み込み可能 | OSS版は無料。クラウド版や商用サポートは有料 |
Google Workspace Studioの最大の強みは、Google環境に特化した深い統合と、生成AIの利用を前提に設計された業務フロー自動化にあります。
Zapierやn8nのように「何でも繋げられる汎用性」ではなく、Gmail・Docs・Driveといった日常業務をAIが理解し、判断しながら処理してくれる点が特徴です。
一方で、
- 文章作成や会議要約など「人の作業を横で支援するAI」が欲しい場合は、Geminiのみの利用や、Microsoft 365 Copilot
- SaaSを横断して柔軟に自動化したい場合は、Zapier / n8n
といったように、ツールごとに得意分野は異なるため、用途に応じて最適なAIツールを利用しましょう。
Google Workspace内の業務効率化をAIに任せたい
そのニーズに最も自然にフィットするのが、Google Workspace Studioです。
Google Workspace Studioの料金プラン
Google Workspace Studioは、Google Workspaceの有料プランに含まれる形で提供されており、Workspace Studioそのものに追加料金は発生しません。
Business(Starter / Standard / Plus)やEnterpriseプランを契約していれば、特別な申込みをしなくても利用できます。日本国内では、Business Starterが月額約950円/ユーザー、Business Standardが約1,900円/ユーザーといった価格帯で提供されています。
一方で、Workspace Studioの強みであるAIエージェントによる自動化機能を最大限活用するには、Gemini(生成AI)機能の有効化が必要です。
2025年時点では、生成AI機能は「Google AI Ultra for Business」といったAIアドオンとして提供されており、組織の管理者が契約・有効化することで利用可能になります。
一部のEnterprise上位プランではGeminiが標準で利用できるケースもありますが、多くの企業環境ではAIアドオンを追加する形が一般的です。
AIアドオンの価格は地域や契約条件によって異なり、企業向けの高度なAI活用を前提としたサービスとして比較的高価格帯に設定されています。
そのため、Google Workspace Studioは、
「基本的な業務自動化は追加費用なしで導入でき、AIによる高度な判断や文章生成を使いたい場合はアドオンを検討する」
という位置付けのサービスと言えるでしょう。
Google Workspace Studioの使い方

作成したいワークフローを入力し、「Create」をクリックします。

作成したいフローの内容を入力するとGemini 3がAIが自動的にワークフローを構築するため、画面の指示に従い、設定を完了させます。
詳細設定を全て終え、再度に作成したワークフローの機能をオンに変更すると、すぐにワークフローが自動化されます。
Google Workspace Studioは、生成AIを単なる補助機能ではなく、「業務そのものを動かす仕組み」として活用できる点が大きな特徴です。
メール処理や資料作成、情報整理といった日常業務を自動化することで、作業時間を削減するだけでなく、判断や企画といった人にしかできない仕事に集中しやすくなります。
まだ新しいサービスではありますが、Google Workspaceと密接に連携する強みは今後さらに活かされていくでしょう。
Googleのワークフロー自動化ツール「Google Workspace Studio(グーグル ワークスペース スタジオ)」の解説は以上です。この情報がGoogle Workspace Studioの理解を深める助けになれば幸いです。
Walkersでは成果が実証されたノウハウをもとに、事業を成功に導くためのAI駆動開発×補助金支援を行っています。新規事業・システム開発でお悩みがある方はお気軽にご相談下さい。


