Open AI版のJev「Decisions API」とは?特徴や料金、使い方まで完全解説!

この記事のまとめ

Decisions API(ディシジョンズAPI)とは「文章ではなく、型の付いた答えだけを返すOpenAIの判断専用API」です。

条件が正しい確率を返す、選択肢から1つ選ぶ、決めた段階で採点する、という3種類の質問にテキストと画像の両方で答えます。答えはプログラムがそのまま使える形で返るため、問い合わせの振り分けや画像のチェックのように、判断だけが必要な処理を自動化できます。

料金は入力100万トークンあたり0.10ドルで出力側の課金はないため、アプリにAIの判断を組み込みたい開発者におすすめのAPIです。

この記事では、OpenAIが提供する判断専用のAPI「Decisions API(デシジョンズAPI)」について詳しく解説します。Decisions APIの特徴や料金プラン、具体的な使い方まで網羅していますので、ぜひ最後までご覧ください。

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Decisions API(デシジョンズAPI)とは?

Decisions APIの全体像。テキストや画像と質問を送ると、確率・選択・点数の答えが返り、アプリのコードがそれを使って分岐する流れ

Decisions API(デシジョンズAPI)とは、OpenAIが2026年10月6日(米国時間)にパブリックベータとして公開した、文章を作らず判断の答えだけを返すAPIです。

OpenAIの通常のAPI(Responses API)は、人が読むための文章を作るように設計されています。一方でDecisions APIは、あらかじめ決めておいた形式の答えだけを返し、アプリのコードがそのまま分岐に使えるようにしています。

Decisions APIに投げられる質問は、次の3種類です。

  • predicate(プレディケート):ある条件が正しい確率を0から1で返す。例「この商品写真に傷やへこみが写っているか」
  • choice(チョイス):用意した選択肢から1つを選ぶ。例「この問い合わせはどの部署が担当すべきか」
  • score(スコア):低い順に並べた段階を基準に採点する。例「この不具合報告はどのくらい深刻か」

判断の材料はinput(インプット)にまとめて渡し、質問はquestions(クエスチョンズ)に並べます。答えはanswers(アンサーズ)として返り、質問ごとに付けた名前で受け取れます。

判断を担当するモデルは、OpenAIが大量処理向けに用意した「GPT-6 Luna(gpt-6-luna)」です。2026年10月13日時点で選べるモデルはこの1種類だけで、呼び出し先も専用のエンドポイント(POST /v1/decisions)に分かれています。

提供状況はパブリックベータで、OpenAIは数週間以内に正式版(GA)へ移行する予定だと案内しています。OpenAIのAPIアカウントがあれば、管理画面のPlayground(プレイグラウンド)ですぐに試せます。

Decisions API 4つの特徴とは?

Decisions APIの4つの特徴を2×2のカードで一覧。型付きの答え、確率と確信度、テキストと画像の一括判定、速度と料金

Decisions APIは、文章を作るこれまでのAPIとは役割の切り分け方が違います。ここでは公式ドキュメントに書かれている内容をもとに、4つの特徴を順番に見ていきます。

【特徴①】文章ではなく型の付いた答えを返す

Responses APIは文章を生成して解析が必要、Decisions APIは型付きの値を直接返すという対比

Decisions APIの最大の特徴は、返ってくるのが文章ではなく、形の決まった値であることです。

これまでAIに判断をさせるには、まず文章で答えを出させ、その文章をプログラムで読み取って値に戻す必要がありました。答えの言い回しが毎回少しずつ違うため、読み取りに失敗したときの処理も別に用意しなければなりません。

Decisions APIでは、質問の種類と答えの候補をこちらが先に決めます。predicateなら0から1の確率、choiceなら渡した選択肢のどれか、scoreなら段階を基準にした点数と、返る値の形が最初から決まっています。

返り値の形が決まっているため、AIの答えをif文の条件としてそのままコードに組み込めます。なお、自由な形のJSONや説明文を作らせたい場合は、従来どおりResponses APIのStructured Outputs(構造化出力)を使うよう公式ドキュメントは案内しています。

【特徴②】確率と確信度で処理を分けられる

choiceの答えに付く選択肢ごとの確率と確信度、しきい値で自動処理と人の確認に分ける流れ

Decisions APIの答えには、どのくらい自信があるかを示す数値が付いてきます。

predicateは条件が正しい確率そのものを返します。choiceとscoreは、選択肢や段階ごとの確率の一覧に加えて、confidence(確信度)という数値も返します。

公式ドキュメントの例では、「注文で二重に請求された」という問い合わせに対し、請求担当(billing)の確率が0.95、確信度が0.93という答えが示されています。どの選択肢にも当てはまらない入力に備えて、「other(その他)」のような受け皿の選択肢を入れておくことも推奨されています。

確率が付くことで、自信の高い答えは自動で処理し、低い答えだけ人に回すという線引きをコードで書けます。どこで線を引くかは、自社のラベル付きデータを使い、誤って検知した場合と見逃した場合の損失を比べて決めるよう公式ドキュメントは案内しています。

【特徴③】テキストと画像を複数の質問でまとめて判定できる

テキストと画像を入力し、破損の有無と商品カテゴリの2つの質問を1回のリクエストで評価して、名前付きの答えが並んで返る仕組み

Decisions APIは、テキストだけでなく画像も判断の材料にできます。

公式ドキュメントでは、商品写真を渡して「ひび割れ、破れ、へこみなどの目に見える破損があるか」をpredicateで判定する例が紹介されています。画像はbase64形式のデータとして埋め込んで送る必要があり、画像のURLやアップロード済みファイルのIDは使えません。

また、互いに独立した質問は1回のリクエストにまとめられ、質問ごとに種類を変えることもできます。たとえば同じ商品写真に対して、破損の有無と商品カテゴリを一度に判定するといった使い方です。

ただし、前の答えによって次に聞く内容が変わる判断は、リクエストを分けるよう公式ドキュメントは注意しています。まず破損の有無を確認し、破損ありの場合だけ修理の分類を聞くといった流れは、2回に分けて呼び出します。

【特徴④】Responses APIより約10倍速く、出力の課金がない

Responses API経由のGPT-6 Lunaと比べた速度と料金の比較。Decisions APIは入力0.10ドルのみで出力とキャッシュの課金がない

Decisions APIは、判断を返すまでの速さと料金の両方で、通常のAPI呼び出しより有利になっています。

公式の発表によると、同じGPT-6 LunaをResponses API経由で呼び出す場合と比べて、最大で約10倍速く判断を返します。公式ドキュメントでも、Responses APIより約10倍速く型付きの答えを返すと説明されています。

料金も入力トークンだけが課金対象で、出力やキャッシュの読み書きには料金がかかりません。同じモデルをResponses APIで使う場合は出力に100万トークンあたり0.50ドルかかるため、判断だけが欲しい用途ではDecisions APIの方が料金を読みやすくなります。

ユーザーの操作のたびに判断を挟むような処理でも、待ち時間と費用を抑えて組み込めます。チャットの応答前に問い合わせを振り分ける、エージェントが次に取る行動を選ぶといった、回数が多く速さが求められる場面と相性の良いAPIです。

Decisions APIの料金プラン

Decisions APIの料金。入力100万トークンあたり0.10ドル、出力とキャッシュは課金なし、モデルはgpt-6-lunaのみ

Decisions APIの料金は、月額や年額のプラン制ではなく、使った入力トークンの量に応じた従量課金です。参考として、同じGPT-6 LunaをResponses APIで使う場合の料金と並べると次のとおりです。

Decisions API
POST /v1/decisions
(参考)Responses API
同じgpt-6-lunaを通常利用
入力$0.10/100万トークン$0.10/100万トークン
キャッシュ入力課金なし$0.01/100万トークン
キャッシュ書き込み課金なし$0.125/100万トークン
出力課金なし$0.50/100万トークン
入力形式テキスト・画像
画像はbase64のデータURLのみ
テキスト・画像
提供状況パブリックベータ
2026年10月13日時点
一般提供
最新情報については公式ドキュメントの料金と提供状況とGPT-6 Lunaのモデルページをご確認ください。

※Decisions API専用の無料枠については、2026年10月13日時点の公式ドキュメントに記載を確認できませんでした。

料金を見積もるうえで押さえておきたい点は、次の3つです。

  • 課金対象は入力トークンのみで、判断の材料と質問文の長さで費用が決まる
  • 地域を指定して処理する場合の割増と、長い入力に対する料金の倍率は適用される
  • この料金は/v1/decisionsへの呼び出しに限られ、同じモデルの他の呼び出しは通常の料金になる

データの扱いについては、条件を満たす顧客であればデータを保存しない契約(ZDR)や、米国の医療情報の規制(HIPAA)に沿った利用に対応しています。データの保管場所と処理地域は、米国と欧州(EEA加盟国とスイス)から選べます。

個人で試す段階であれば、費用が問題になることはほとんどありません。業務で使う場合は、1日あたりの判断件数と1件あたりの入力量を先に見積もり、画像を含める場合はその分の入力トークンも計算に入れておくと安全です。

Decisions APIの使い方

6ステップの横並びフロー。APIキー発行、Playgroundで試す、SDK更新、質問を組み立てて呼び出す、答えを受け取る、しきい値を決める

Decisions APIは、Playgroundで質問を試してから、SDKやAPIでアプリに組み込む流れになります。公式ドキュメントに沿って、6つのステップで解説します。

STEP
OpenAIのAPIアカウントでAPIキーを発行する

OpenAI Platformにログインし、APIキーを発行します。キーはサーバー側で管理し、ブラウザやアプリの画面側のコードには埋め込まないようにします。

STEP
Playgroundで質問を試す

管理画面のDecisions用Playgroundを開き、判断させたい文章や画像と質問を入れて動きを確認します。コードを書く前に、質問の書き方でどう答えが変わるかを確かめられます。

STEP
SDKを対応版に更新する

公式SDKを使う場合は、Python 3.26.0、JavaScript 7.30.0、Go 3.73.0、Ruby 0.101.0、Java 4.78.0以降に更新します。SDKを使わずにHTTPで直接呼び出すこともできます。

STEP
model・input・questionsを組み立てて呼び出す

modelにgpt-6-lunaを指定し、inputに判断の材料、questionsに質問を並べてPOST /v1/decisionsへ送ります。質問ごとに種類と指示文、choiceなら選択肢、scoreなら段階を指定します。

STEP
名前で答えを受け取り、拒否にも備える

answersの中から、質問に付けた名前で答えを取り出します。答えの種類がrefusal(拒否)になる場合もあるため、その分岐もコードに入れておきます。

STEP
しきい値を決めて処理を分岐させる

正解が分かっている自社のデータで試し、確率や確信度がいくつ以上なら自動で処理するかを決めます。取り消しにくい処理ほど、高い水準を求める形にしておくと安全です。

質問の書き方には、公式ドキュメントが挙げているコツがあります。1つの質問では1つのことだけを聞き、外から見て確かめられる基準で書くと答えが安定します。

choiceの選択肢は意味が重ならないように分け、それぞれにどんなときに当てはまるかの説明を付けます。scoreの段階も、隣り合う段階の基準がはっきり違うように定義しておくことが推奨されています。

Decisions APIでできることや活用事例

Decisions APIは判断の部分だけを担当するため、既存のアプリやAIの仕組みに差し込む形で使われます。ここでは公式ドキュメントで紹介されている使い道を4つ紹介します。

問い合わせの振り分け

届いた問い合わせの内容から、担当する部署を選ぶ用途です。公式ドキュメントでは、請求・技術・配送・その他の4つから選ばせ、「二重に請求された」という問い合わせを請求担当に振り分ける例が示されています。

確信度が低いものだけ人が確認する形にすれば、決まりきった問い合わせは自動で流し、迷うものだけ人が見る分担が作れます。「その他」に振り分けられたものは、まとめて確認する窓口に送る使い方も紹介されています。

»出典: OpenAI 公式ドキュメント「Decisions」

商品写真の破損チェック

画像を判断の材料にできることを活かし、写真に写った商品の状態を確認する用途です。公式ドキュメントでは、影や梱包の傷は除いたうえで、商品そのものに目に見える破損があるかを確率で返させる例が紹介されています。

返ってきた確率がしきい値を超えた写真だけを確認待ちに回せば、すべての写真を人が見る必要がなくなります。返品の受付や出荷前の検品など、写真の枚数が多い業務ほど効果が大きくなります。

»出典: OpenAI 公式ドキュメント「Decisions」

不具合報告の重大度の判定

寄せられた不具合報告を、決めた基準に沿って採点する用途です。公式ドキュメントでは、「見た目だけの問題」「回避策がある」「作業が完全に止まる」の3段階で、報告の深刻さをscoreで判定する例が示されています。

点数は段階の間の値にもなるため、同じ段階の中での優先順位を付けるのにも使えます。対応の順番を決める作業を自動化できれば、開発チームは修正そのものに時間を回せます。

»出典: OpenAI 公式ドキュメント「Decisions」

音声での操作の選択

音声で会話するLive APIと組み合わせ、話しかけた内容からアプリの操作を選ぶ用途です。公式ドキュメントでは、「このページを再読み込みして」という声を受けて、戻る・再読み込み・何もしないの3つから再読み込みを選ぶ例が紹介されています。

この仕組みでは、音声AIが会話を続けている間に、アプリ側がDecisions APIを呼び出して操作を実行し、結果を音声AIに返します。会話の流れを止めずに、決められた操作だけを確実に実行させられる点が特徴です。

»出典: OpenAI 公式ドキュメント「Connect voice to Decisions」

よくある質問集

Decisions APIとはどのようなAPIですか?

OpenAIが2026年10月6日(米国時間)にパブリックベータとして公開した、文章を作らず判断の答えだけを返すAPIです。条件が正しい確率、選択肢からの選択、段階に沿った採点の3種類の質問に、テキストと画像の両方で答えます。

Decisions APIの料金プランはどうなっていますか?

入力100万トークンあたり0.10ドルの従量課金で、出力やキャッシュの読み書きには料金がかかりません。月額のプラン制ではなく、使った分だけの支払いになります。

Responses APIとはどう使い分ければよいですか?

確率・選択・採点のいずれかの答えが欲しい場合はDecisions APIを使います。自由な形のJSONや説明文を作らせたい場合はStructured Outputs、ツールを呼び出させたい場合はfunction callingを使うよう公式ドキュメントは案内しています。


Decisions APIを検討する第一歩は、いま人が見て判断している作業を1つ選び、答えの候補を書き出すことです。

試せることと業務で使えることの間には、どの確信度なら自動で処理し、どこから人が確認するかという線引きが残ります。

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