Sign in with ChatGPTとは「ChatGPTのアカウントでほかのアプリにログインし、契約中のプランの利用枠でアプリのAIを動かせる仕組み」です。
利用者はAPIキーを用意しなくても、対応アプリのAI機能を手持ちのプランで使えます。アプリごとに週の上限を決められ、不要になれば接続を切れます。
アプリの提供側はAIの利用料を負担せずに済むため、AI機能付きのアプリを手軽に提供できるようになります。
この記事では、ChatGPTの契約をほかのアプリでも使えるようにするOpenAIの仕組み「Sign in with ChatGPT」について詳しく解説します。Sign in with ChatGPTの特徴や費用、具体的な使い方まで網羅していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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Sign in with ChatGPTとは?

Sign in with ChatGPTとは「ChatGPTのアカウントでほかのアプリにログインし、契約中のプランの利用枠をそのアプリで使える仕組み」です。2026年9月29日の開発者向けイベント「DevDay 2026」で、ChatGPTのプランをほかのアプリで使える仕組みとして紹介されました。
これまでAI機能のあるアプリを使うには、アプリ側がAPIの利用料を負担するか、利用者がAPIキーを発行して入力するのが一般的でした。Sign in with ChatGPTを使うと、すでに契約しているChatGPTのプランの枠で、アプリのAI機能を動かせます。
- ChatGPTのアカウントで、対応するアプリにログインする
- 契約中のプランの利用枠で、アプリのAI機能を動かす
- アプリごとに、1週間に使ってよい枠の上限を決める
- 使わなくなったアプリとの接続を、ChatGPTの設定から切る
- 開発者は、APIキーを配らずに自作ツールへChatGPTのAIを組み込む
アプリが受け取るのは、利用者の名前・メールアドレス・プロフィール画像だけです。ChatGPTでの会話履歴やメモリを、アプリが読むことはできません。
提供は段階的に進んでいます。2026年10月19日時点で、ログインの機能は選ばれた商用パートナーに試験的に提供されており、プランの利用枠を使う機能は、オープンソースのアプリと、選ばれた一部の非公開アプリで使えます。
Sign in with ChatGPT 4つの特徴とは?

Sign in with ChatGPTには、利用者と開発者の双方にとって次の4つの特徴があります。どれも「手持ちのプランを、ほかのアプリで安全に使い回す」ための工夫です。
【特徴①】APIキーなしでアプリのAIを使える

1つ目の特徴は、APIキーを発行・入力しなくても、アプリのAI機能を使える点です。AIの処理分は、利用者のChatGPTプランに含まれる枠から差し引かれます。
AI機能のあるアプリでは、APIキーの取得と管理が最初の壁になりがちでした。開発者にとっても、利用者ごとのAPI利用料を立て替える負担がありました。
- 利用者:すでに契約しているプランの枠で、新しいアプリのAI機能を試せる
- 開発者:利用者ごとのAPI利用料を立て替えずに済む
- 双方:APIキーを画面に貼ったり、受け渡したりする手間がなくなる
差し引かれるのは、プランに含まれる「ChatGPT Work」と「Codex」の利用枠で、ChatGPTやCodexでAIに作業を任せるときと同じ枠です。アプリをつないでも枠そのものは増えないため、ChatGPTやCodexと同じ枠を分け合う形になります。
【特徴②】アプリごとに週の上限を決められる

2つ目の特徴は、どのアプリがどれだけ枠を使ってよいかを、利用者が自分で決められる点です。ChatGPTの設定にある「Usage」で、つないだアプリごとに週の上限を設定します。
上限は、週の利用枠全体に対する割合で10%〜100%(10%刻み)から選びます。この値はアプリのために枠を取り置く「確保」ではなく、使いすぎを防ぐ「上限」です。
Plusでは、5時間ごとの上限を、つないだすべてのアプリで共有します。Proには5時間ごとの上限がありません。
枠を使い切ると、アプリのAI機能はそこで止まります。クレジットへの切り替えは初期設定でオフで、アプリの上限を100%にしたうえで全体の設定で許可したときだけ使われます。
【特徴③】アプリに渡る情報が限られている

3つ目の特徴は、アプリに渡る個人情報が最小限に絞られている点です。アプリが受け取るのは名前・メールアドレス・プロフィール画像だけで、ChatGPTの会話やメモリにはアクセスできません。
利用規約は、アプリ側にログインの鍵(トークン)を利用者の管理下にある端末にだけ保存するよう求めています。AIへのリクエストも、利用者の端末か、その利用者だけが管理する環境から送る決まりです。
ほかの利用者のためにプランを使うこと、利用枠やトークンを共有・転売することも禁じられています。アプリ側が守る定めは、後半の「Sign in with ChatGPTの商用利用」で詳しく紹介します。
一方で、アプリ経由の利用がAIの学習にどう扱われるかは、公式に明記されていません。個人のプランでは設定の「Improve the model for everyone」がChatGPTとCodexの学習の可否を決めるため、気になる場合は事前に設定を確認しておきましょう。
【特徴④】開発者は公式の手順で組み込める

4つ目の特徴は、開発者向けに組み込みの手順と見本が公開されている点です。オープンソースのアプリと、利用者の手元で動く個人用のアプリなら、申し込みなしで組み込めます。
ログインには、広く使われている認可の方式(OpenID ConnectとPKCE)を使い、アプリに秘密の鍵(client secret)を持たせる必要はありません。ログイン後の戻り先は、利用者の端末の中(127.0.0.1)に限られています。
AIの呼び出し先は、OpenAIの公開API(Responses API)です。画像は選んだモデルが対応していれば送れますが、音声・動画、ファイルのアップロード、画像生成などは使えません。
公式の開発キット「Sign in with ChatGPT DevKit」には、ログインや鍵の保存を担う部品と、Electronで作った見本アプリが入っています。ライセンスは非商用(Noncommercial License)のため、商用の製品に流用するときは条件の確認が必要です。
Sign in with ChatGPTの費用と使えるプラン

この仕組みは、アプリの利用者がChatGPTを契約していることが前提です。アプリのAI機能は利用者のプランの枠で動くため、企業が提供するアプリ(商用アプリ)で使うには、利用者がPlusやProなどの有料プランを契約している必要があります。
そのうえで、アプリの提供側がOpenAIに払う費用は次のとおりです。手元で動くツール向け(オープンソースなど)の方法では、提供側はOpenAIのAPIキーも契約も要らず、AIの処理はすべて利用者のプランに計上されるため、提供側に費用が発生する仕組みそのものがありません。
企業が提供するアプリ(商用アプリ)は申し込み制で、提供側の契約条件は公開されていません。ただし、公式の利用規約・ヘルプ・開発者向けドキュメントのいずれにも、提供側が払う料金の定めはありません(2026年10月20日時点)。
利用者にも追加の料金はかからず、使った分が契約中のプランの利用枠から差し引かれます。
| アプリの提供側 | 利用者 | |
|---|---|---|
| AI機能の利用料 | 払わない | 追加料金なし(プランの利用枠から差し引き) |
| APIキー | 不要(有料・サーバー型のアプリは申し込みが必要) | 不要 |
| 枠を使い切ったとき | その利用者のAI機能が止まる | 初期設定では止まる。クレジットを許可すれば利用者の負担で続く |
| アプリ自体の料金 | サブスクやサーバー費用などは別に請求できる。ただし、プランの利用に支払いやアップグレードを求めてはならない | アプリが有料なら、その料金は別に払う |
※ 利用規約は「利用者が支払いや有料版へのアップグレードをしなくても、プランを使えるようにすること」を求めています。一方、ヘルプには「アプリが自社の一部のプランでだけこの機能を提供する場合がある」とも書かれており、記載が分かれています。
どのプランの人がこの仕組みを使えるかは、アプリの種類によって変わります。2026年10月20日時点の公式の説明をまとめると、次のとおりです。
| Free | Go | Plus | Pro | |
|---|---|---|---|---|
| 手元で動くオープンソースのツール | ||||
| 企業が提供するアプリ(商用アプリ) |
※ 商用アプリの対象は、開発者向けの説明では「PlusとPro」、利用者向けのヘルプでは「Go・Plus・Pro」と書かれており、Goの扱いは記載が分かれています(表では△)。Business・Enterprise・Eduは、利用枠を使う対象として記載がありません。
Plusでは、つないだアプリとChatGPT本体が同じ5時間ごとの上限を分け合います。対応アプリでAIを日常的に使うなら、5時間ごとの上限がないProの方が作業が止まりにくくなります。
各プランの月額は、ChatGPTの料金ページで確認してください。
Sign in with ChatGPTの使い方

利用者の操作は、対応アプリのボタンからChatGPTにログインし、ChatGPTの設定で上限を決めるだけです。開発者向けの組み込み手順は、公式ドキュメントにまとまっています。
アプリのログイン画面や設定画面にある「Continue with ChatGPT」のボタンを押します。ブラウザが開き、ChatGPTのログイン画面が表示されます。
ふだん使っているChatGPTのアカウントでログインします。アプリに渡る情報と、プランの利用枠を使うことを確認してから許可すると、アプリの画面に戻ります。
公式の画面ルールでは、プランの枠を使っている間、アプリに「Using ChatGPT plan」と表示されます。この表示があれば、AIの処理がプランの利用枠から差し引かれています。
ChatGPTの「設定」から「Usage」を開き、つないだアプリごとに週の上限を10%〜100%で設定します。アプリ側にある「Manage usage」のリンクからも、同じ画面を開けます。
初期設定では、枠を使い切るとアプリのAI機能は止まります。止めたくない場合だけ、アプリの上限を100%にしたうえで、全体の設定でクレジットの利用を許可します。
ChatGPTの「設定」から「Security and login」を開き、不要になったアプリとの接続を解除します。解除したアプリは、プランの利用枠を使えなくなります。
開発者と利用者のメリット・デメリット
Sign in with ChatGPTは、AIの利用料の負担を、アプリの提供側から利用者のプランへ移す仕組みです。そのため、開発者・運用者と利用者とで、得られるものと引き受けるものが変わります。
開発者・運用者のメリットとデメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 利用者のAI利用料を負担しなくてよく、利用が増えてもAIの原価が増えない | 使えるのはOpenAIのモデルだけで、ほかの会社のAIには使えない |
| 利用者にAPIキーを取得・入力してもらう手間がなくなる | 利用者の枠が尽きると、その人のAI機能が止まる。使い心地が利用者の契約に左右される |
| 手元で動くオープンソースのツールなら、申し込みも秘密の鍵(client secret)も要らない | サーバーで動くアプリは申し込みが必要で、トークンを預かれない、利用者をまたいで枠を使えないなどの制約がある |
| AIの使用量が人によって大きく違うツールでも、AIの費用を見込んだ料金設計に悩まずに済む | 音声・動画・ファイルのアップロードは使えず、出力の長さなどの細かい指定もできない |
| 公式の開発キットと画面のルールがあり、ボタンや表示をそろえやすい | 商用アプリでは有料プランの利用者しか使えず、無料の利用者向けには別の手段が要る |
開発者・運用者にとっての最大の利点は、AIの原価を利用者の契約でまかなえることです。その代わり、AI機能が動くかどうかが、利用者の契約と残りの枠に左右される点を受け入れる必要があります。
利用者のメリットとデメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| すでに払っているChatGPTのプランを、ほかのアプリで使い回せる | アプリで使った分だけ、ChatGPT本体やCodexで使える枠が減る |
| APIキーの取得や管理が要らない | Plusでは、5時間ごとの上限をつないだアプリと共有する |
| アプリごとに週の上限を決め、使いすぎを防げる | アプリ経由の利用が学習にどう扱われるかは、公式に明記されていない |
| アプリに渡るのは名前・メールアドレス・プロフィール画像だけ | 商用アプリで使うには、Plus・Proなどの有料プランが必要 |
利用者から見ると、AI付きのアプリごとに別の料金やAPIキーを用意せずに済むのが大きな利点です。一方で枠は増えないため、つなぐアプリが増えるほど、ChatGPT本体で使える分が減ります。
採用が向いているケース・向いていないケース
向き不向きの分かれ目は、「AIへのリクエストを誰の環境から、誰の契約で送るか」です。規約は、利用者本人の端末から本人のために送ることを求めているため、この形に合うかどうかで判断できます。
| 向いているケース | 理由 |
|---|---|
| 利用者のPCで動く開発ツール・デスクトップアプリ・コマンドラインのツール | トークンを利用者の端末に保存し、利用者の端末からAIを呼ぶという規約の定めに、作りがそのまま合う |
| オープンソースで公開し、利用者が自分の契約で動かす前提のツール | 申し込みなしで組み込め、利用者ごとにAPIキーを配ったり、AIの費用を立て替えたりせずに済む |
| AIの使用量が人によって大きく違うツール | 提供側がAIの費用を持つと、よく使う人ほど原価が膨らむ。利用者の枠でまかなえば、その差を提供側が抱えずに済む |
| 利用者の多くがChatGPTの有料プランを契約している、個人向けのツール | AI機能を使える人が多く、利用者も手持ちの契約のまま使い始められる |
| 向いていないケース | 理由 |
|---|---|
| 会社のサーバーで、複数の利用者のデータをまとめて処理する業務システム | トークンをサーバーで預かることや、ある利用者の枠で別の利用者の処理をすることを、規約が認めていない |
| 無料の利用者も含めて、全員に同じAI機能を提供したいサービス | 商用アプリで枠を使えるのは有料プランの利用者だけで、無料の利用者にはAI機能が動かない |
| OpenAI以外のAIも切り替えて使いたいサービス | この仕組みで呼べるのはOpenAIのモデルだけで、ほかの会社のAIには使えない |
| 学習の扱いや情報の管理を、会社として統一したい社内システム | 個人のプランの学習設定は利用者ごとに異なり、アプリ経由の扱いも明記されていない。会社のAPIキーなら、学習に使わない初期設定にそろえられる |
実際に、オープンソースのツール「OpenClaw」は、利用者のPCの中で動く形でこの仕組みを取り入れています。反対に、会社のサーバーで動く業務システムでは、会社のAPIキーでAIを呼ぶ方式の方が、規約上の制約が少なく設計しやすいでしょう。
Sign in with ChatGPTの商用利用
利用規約には、利用者が仕事でSign in with ChatGPTを使うことを禁じる条文はありません。ただし対象は個人向けのプランで、学習の扱いも利用者それぞれの設定に左右されます。
開発者が自社の製品に組み込む場合は、アプリの種類によって条件が変わります。2026年10月19日時点の公式の説明では、次のとおりです。
| アプリの種類 | 組み込みの条件 |
|---|---|
| オープンソースで、利用者の端末で動く | 申し込みなしで組み込める |
| 非公開で、利用者の端末で動く個人用 | 申し込みなしで組み込める |
| 有料のアプリ、またはサーバーで動くアプリ | 申し込みフォームから申請する(審査の目安は公開されていない) |
サーバーで動くアプリは、申請が通っても利用規約の次の定めを守る必要があります。どれも「利用者本人の環境で、本人のためだけにプランを使う」ことを求める内容です。
- トークンの保存先:利用者の管理下にある端末に限られ、リモート環境や会社などが管理する環境には保存できない
- リクエストの送り元:利用者の端末か、その利用者だけが管理するリモート環境から送る
- ほかの利用者の処理:ある利用者のプランで、別の利用者のリクエストを処理してはならない。別の利用者の操作をきっかけに送ることも禁止
- 使い道:接続したアプリの中だけで使い、ほかのツールや無関係な処理に汎用的なAPIとして開放してはならない
- 料金:利用者が支払いや有料版へのアップグレードをしなくても、プランを使えるようにする
- 共有と自動処理:利用枠やトークンを共同利用・譲渡・転売・共有してはならない。自動処理やバックグラウンドで使う前には、利用者の明示的な同意を取る
このため、会社のサーバーが利用者のトークンを預かり、サーバー側でまとめてAIを呼ぶ一般的なWebサービスの作りは、この仕組みに合いません。
Codexのログインを流用して、ChatGPTの内部APIを呼ぶ非公式の実装も出回っています。公式は内部APIを使わないよう明記しているため、これから組み込むなら公式の方式を選びましょう。
なお、Claudeには同じような仕組みはありません。Anthropicは、他社のアプリにClaude.aiのログインを組み込むことや、Free・Pro・Maxプランの資格情報で利用者のリクエストを処理することを認めておらず、APIキーでの利用を案内しています。
よくある質問
Sign in with ChatGPTとはどのような仕組みですか?
ChatGPTのアカウントでほかのアプリにログインし、契約中のプランの利用枠でアプリのAI機能を使える仕組みです。利用者はAPIキーを用意する必要がありません。
Sign in with ChatGPTの利用に料金はかかりますか?
利用者に追加料金はかからず、使った分は契約中のプランの利用枠から差し引かれます。アプリの提供側も、この仕組みを通したAIの利用についてOpenAIに利用料を払いません。
ClaudeのプランでもSign in with ChatGPTと同じことはできますか?
できません。Anthropicは他社のアプリにClaude.aiのログインを組み込むことを認めておらず、APIキーでの利用を案内しています。
Sign in with ChatGPTを検討する第一歩は、使っているアプリが対応しているかを確かめ、週の上限を低めにして試すことです。
ただし、個人で便利に使えることと会社の業務システムに組み込めることの間には、規約や情報管理の条件を整理する作業があります。
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