【2026年最新】AI駆動開発の成功事例30選。企業別に解説

AI駆動開発で実際に何が作れるの?

弊社ではAI導入支援を行っていますが、そのような声をよくいただきます。

本記事では、AIを使って実際に作られたアプリやシステムの成功事例30件を、大企業・中小企業・個人に分けて10件ずつ紹介します。そのうえで、30件を開発の進め方で3つの型に分け、開発会社の選び方と、自社で作る場合の進め方までまとめました。

下記から自社に近い規模の事例へ飛んでいただきご覧になれます。お時間の無い方はぜひ、こちらをご活用ください。

※どの事例も、当事者やツールの提供元が公開している情報をもとに紹介しています。成果の数字は各社・開発者・提供元が公表した値で、同じ期間や費用で再現できることを保証するものではありません。大企業・中小企業・個人の区分は、公開情報をもとに弊社で分けたものです。(情報確認日:2026年10月2日)

Walkersでは「AIを用いたシステム開発のノウハウがない」「最大限に効率よく開発を進めたい」企業さまに、事業を成功に導くAI開発×補助金支援を行っています。⇒サービス概要はこちら

執筆者:古谷 大輝
 

執筆者:古谷 大輝
P2C事業の立ち上げ・売却、ノーコード受託開発事業の立ち上げを経験。
コンサルタントとしてスタートアップや中小企業の事業構築・経営革新を支援。
現在はWalkersのCINOとして、AI領域のR&Dと新規事業開発を担う。

運営会社:株式会社Walkers

運営会社:株式会社Walkers
AI・ノーコード開発を手がける成長支援カンパニー。
300件以上の開発/制作実績、200件以上の企業様を支援。
マーケティングやUI/UXと掛け合わせたサービス開発を得意としている。

執筆者:古谷 大輝

執筆者:古谷 大輝
P2C事業の立ち上げ・売却、ノーコード受託開発事業の立ち上げを経験。
コンサルタントとしてスタートアップや中小企業の事業構築・経営革新を支援。
現在はWalkersのCINOとして、AI領域のR&Dと新規事業開発を担う。

運営会社:株式会社Walkers

運営会社:株式会社Walkers
AI・ノーコード開発を手がける成長支援カンパニー。
これまでに300件以上の開発/制作実績、200件以上の企業様を支援。

クリックできる目次

大企業のAI駆動開発事例10選

まずは、大企業の事例を10件紹介します。すでに動いている大きなシステムの開発に、AIを取り入れた事例が中心です。

企業・事例AIの主な使い方確認できる成果
DatadogCodexによるコードレビュー過去障害の再検証で有用な指摘を確認
EndavaCodexによる要件仕様の作成部門間の要件調整を短縮
楽天Claude Codeによる既存プログラムの改修特定の実装を約7時間で完了
CoinbaseCursorによる実装と検証一部チームの本番到達を20日から1.8日へ
DropboxCursorによる巨大なコード群の理解・改修55万超のファイルを対象に活用
SalesforceCursorによるテスト作成と開発支援コード変更の確認速度が30%以上向上との報告
NVIDIACursorによる不具合修正・テストコード変更量の増加と不具合率を併せて評価
マネーフォワードCursorによるテストケース・スクリプト生成テスト生成時間を70%削減
Stripev0で営業向け価値算定アプリを開発営業担当者が使う計算・資料作成ツールに
Helix ElectricReplitで工事関連の業務アプリを開発給与報告の監査で85%の効率改善との報告

【大企業の事例①】Datadog|システム全体への影響をCodexでレビュー

Datadogの公式サイト
画像出典:Datadog公式サイト

修正がシステム全体に与える影響を、AIに点検させている事例です。Datadogは、複雑なシステムを監視するサービスを提供しています。同社では、ある変更がほかの部分に波及しないかどうかの確認を、経験の長い技術者に頼っていました。従来の静的解析ツールでは対応しきれず、初期のAIレビューツールも表面的な指摘にとどまっていたとしています。

そこで同社は、OpenAIの開発支援ツール「Codex」をレビューに組み込みました。同社で最大級のプログラムの保管場所の一つでは、開発者が出す「この部分をこう直しました」という修正依頼のすべてを、Codexが自動で点検しています。Codexは変更された箇所に加えて、その変更の影響を受ける別の部分や、足りていないテストも指摘します。

効果を確かめるために、同社は過去に障害の原因になった修正依頼を再現し、Codexに読ませました。その結果、調べた障害のうち10件以上、約22%でCodexの指摘が役に立っていたはずだと、担当の技術者が確認しています。この約22%は、過去の障害を再現した検証での割合です。現在は1,000人を超える技術者が定期的にCodexを使っています。

エンジニアリングマネージャーのBrad Carter氏は、Codexの位置づけを次のように語っています。

Codex によって、コードレビューのあり方に対する考えが変わりました。最高の人間レビュアーを再現することが目的ではありません。人間が変更点を個別に確認するときに見落としがちな、重大な欠陥やエッジケースを見つけることに価値があるのです。

Brad Carter氏(Datadog エンジニアリングマネージャー)

出典:Datadog 社、Codex を活用してシステムレベルのコードレビューを実施(OpenAI)

【大企業の事例②】Endava|部門間の要望をCodexで要件仕様へ変換

Endavaの公式サイト
画像出典:Endava公式サイト

他部門から寄せられた要望を、AIで開発用の仕様書にまとめた事例です。受託開発企業のEndavaは、要件の分析から設計、仕様づくり、開発、運用までCodexを使っています。同社によると、依頼元の要望を聞き取り、技術者が何を作るかを判断するまでには、通常、数週間のやり取りが必要でした。

紹介されているのは、法務部門からの相談です。内容は、何千ページもの契約書を特定の基準に照らして確認する仕組みでした。担当チームは法務の関係者と2時間の会議を行い、その文字起こしをCodexに入力しています。Codexはその記録をもとに、開発に使える要件仕様書を作りました。

この進め方によって、通常なら1〜2週間の修正が必要だった作業が1時間の会議2回に縮まり、使える仕様書が完成したと紹介されています。短くなったのは、要件を仕様書にまとめるまでの期間です。

同社は顧客との打ち合わせでも、その場で設計書や図、仕様書をCodexで作っています。Agentic Architecture担当グローバルSVPのMike Krolnik氏は、次のように語っています。

Codex はツールとして成熟しました。要件分析、設計、仕様策定、開発、運用に活用しており、業務全体を通じて使える汎用的なデスクトップエージェントです。

Mike Krolnik氏(Endava Agentic Architecture担当グローバルSVP)

出典:Endava が Codex で築くエージェント型組織(OpenAI)

【大企業の事例③】楽天|Claude Codeで既存のAIプログラムを改修

楽天の公式サイト
画像出典:楽天グループ公式サイト

規模の大きい既存プログラムの改修を、AIにまとめて任せた事例です。楽天は、eコマース、旅行、フィンテック、通信など70を超える事業を展開しています。同社は、Anthropicの開発ツール「Claude Code」を使って開発を進めています。

転機として紹介されているのは、機械学習エンジニアのKenta Naruse氏による検証です。同氏は、複数のプログラミング言語で書かれた1,250万行の公開プログラム(ライブラリ)に、特定の計算手法を追加する作業をClaude Codeに任せました。Claude Codeは7時間かけて、1回の実行ですべての作業を完了しています。Naruse氏は、この7時間のあいだ自分ではコードを一切書かず、たまに指示を出しただけだったと語っています。

実装の結果は、参照する計算手法と比べて数値精度99.9%だったと報告されています。この99.9%は、対象の計算結果を比べた数字です。同社のエンジニアリングチームは、新機能を市場に出すまでの平均期間が24日から5日に縮まったともしています。

機械学習シニアエンジニアのDiego Mateos氏は、Claude Codeで自身の開発の進め方が変わったとして、次のように語っています。

これまでは自然とテスト駆動開発手法を採用することはありませんでしたが、Claude Codeのおかげでとても簡単になりました。包括的なテストを瞬時に生成し、その上でテストに合格する機能を構築します。これにより、自身の開発手法が完全に変わり、はるかに効率的なエンジニアになりました

Diego Mateos氏(楽天 機械学習シニアエンジニア)

出典:楽天、Claude Codeを活用して開発を加速(Anthropic)

【大企業の事例④】Coinbase|実装だけでなく着手から本番までを短縮

Coinbaseの事例紹介ページ
画像出典:CursorのCoinbase事例

コードを書く速さではなく、アイデアが利用者に届くまでの期間を縮めた事例です。暗号資産サービスのCoinbaseは、AIを組み込んだ開発ツール「Cursor」を2,400人を超える開発者が使っていると公表しています。モバイル機能の開発や、作業票(チケット)に書かれた作業の実装・レビューに使っています。

同社が変えたのは、開発の進め方そのものです。技術者は、製品として満たすべき要件と技術面の要件を、AIが実装や評価に使える形で書きます。実装はAIに任せ、技術者は設計の選択と、できあがったものの評価を担います。同社では多くの技術者が、5〜7体のAIを並行して動かしていると説明されています。

紹介された一部のチームでは、アイデアから本番投入までの期間が20日から1.8日に縮まりました。Coinbase全体では、修正依頼の75%をAIが作成しており、開発者は平均して週7時間、手作業でコードを書く時間を減らしていると報告されています。

エンジニアリング担当シニアディレクターのChintan Turakhia氏は、次のように語っています。

壊れたシステムにAIを導入しようとしている企業があまりにも多すぎます。AIモデルの進歩を最大限に活用するには、仕事の進め方そのものを変える必要があります。

Chintan Turakhia氏(Coinbase エンジニアリング担当シニアディレクター)

出典:Coinbase、Cursorでアイデアから本番投入までの時間を90%短縮(Cursor)

【大企業の事例⑤】Dropbox|55万超のファイルを理解して改修を進める

Dropboxの事例紹介ページ
画像出典:CursorのDropbox事例

膨大な数のファイルをAIが探せるようにして、既存プログラムの改修を進めた事例です。Dropboxは自社でデータセンターを運用しており、55万を超えるファイルが入ったプログラムの保管場所を、数千人の技術者が保守しています。

同社はここにCursorを導入しました。Cursorが55万超のファイルを読み込んで索引を作り、関連する箇所をAIが探せるようにしています。これにより、既存コードの理解から、実装、テスト、移行作業までをCursorが支援しています。

導入は現場の自主的な試用から始まりました。その後、社内で使い方を広める推進役のグループを育て、導入の妨げになるものを取り除きながら組織全体へ広げたと説明されています。現在は同社の技術者の90%以上が毎週AIツールを使っており、その中心がCursorです。AIが提案したコードを毎月100万行以上採用しているとも報告されています。

同社は、速さ・有効性・品質を重視する独自の基準で効果を測っています。修正依頼を処理した量と完了までの時間は、業界の指標で上位の水準に達したとしています。CTOのAli Dasdan氏は、次のように語っています。

自社が AI を武器に素早く動けるようにしたいなら、まず自分自身が体験する必要があります。エンジニアリング部門の責任者や CTO が一人でもこれらのツールを試せば、すぐにそのインパクトがわかります。そうしなければ、あっという間に置いていかれてしまいます。

Ali Dasdan氏(Dropbox CTO)

出典:Dropbox は Cursor を使用して 55 万以上のファイルをインデックスし、AI ネイティブな SDLC を構築(Cursor)

【大企業の事例⑥】Salesforce|既存コードの理解とテスト作成を支援

Salesforceの事例紹介ページ
画像出典:CursorのSalesforce事例

経験の違う技術者が、それぞれ困っている作業からAIを使い始めた事例です。Salesforceは25年以上にわたってソフトウェアを開発してきた企業で、長年積み重なったコードを抱えています。同社は社内のツールに加えて、Cursorも技術者に提供しました。

最初に使い始めたのは若手の技術者でした。若手の多くはパンデミックの時期に入社しており、リモートワークのため、従来のやり方では既存コードを学べなかったと紹介されています。若手は既存コードを理解するためにCursorを使いました。一方、経験の長い技術者は、退屈で単調な手作業から試し、その後に使い道を広げています。同社は機能ごとのテスト作成にもCursorを使っています。

公開事例では、同社のエンジニアリング組織での導入率は75%、コード変更の確認速度は30%以上向上したとしています。あるチームでは、古いコードに対するテストを作る時間が85%減ったとも報告されています。同社は効果の評価に、処理量だけでなく、完了までの時間や不具合の数も使っています。

エンジニアリング担当SVPのShan Appajodu氏は、経験の長い技術者の使い方について次のように語っています。

シニアエンジニアは、まず退屈だと感じる領域から始め、そこで価値が見えたら、ほかのユースケースにも AI コーディングを使うようになります。

Shan Appajodu氏(Salesforce エンジニアリング担当SVP)

出典:Salesforce は Cursor で開発速度を 30%以上加速し、より高品質なコードをリリース(Cursor)

【大企業の事例⑦】NVIDIA|不具合の調査から修正・テストまでつなぐ

NVIDIAの事例紹介ページ
画像出典:CursorのNVIDIA事例

コードを書く作業にとどめず、不具合の調査からテストまでAIの利用を広げた事例です。半導体企業のNVIDIAは30年の歴史があり、長年のあいだに大きくなったプログラムを抱えています。同社はCursorを、コードの作成、レビュー、テスト、不具合の調査に使っています。

あるチームは、チケットや文書から関連する情報を集め、修正を実装し、テストで確かめるまでの流れをCursorで整えました。別のチームは、開発用の作業環境の作成や、自動テストが失敗した原因の調査といった手順をルールにして、Cursorに進めさせています。

公開事例によると、現在は30,000人以上の開発者が毎日Cursorを使っています。Cursorを使う開発者が記録するコードの量は、以前の3倍になりました。一方で、不具合の発生率は横ばいだったと報告されています。

3倍になったのは、記録されたコードの量です。同社は、コードが速く書けるようになった結果、レビューやテスト、不具合の修正が次の詰まりどころになったと説明しています。そこで、これらの工程にもCursorを広げました。エンジニアリング担当VPのWei Luo氏は、次のように語っています(SDLCは、ソフトウェア開発の一連の工程のことです)。

チームは Cursor を、コードの記述、コードレビュー、テストケースの生成、QA に利用しています。私たちの SDLC 全体が Cursor によって加速されています。

Wei Luo氏(NVIDIA エンジニアリング担当VP)

出典:NVIDIA、30,000人の開発者がCursorでコミットコード量を3倍に(Cursor)

【大企業の事例⑧】マネーフォワード|仕様からテストを作る作業を短縮

マネーフォワードの事例紹介ページ
画像出典:Cursorのマネーフォワード事例

技術者だけでなく、品質確認・企画・デザインの担当者までAIの利用を広げた事例です。マネーフォワードの開発チームは、以前に別のAIツールを試したものの、意味のある時間短縮を実感できず、導入がほぼ止まっていました。その後Cursorを導入して開発が速くなると、今度は企画、デザイン、品質確認の工程が追いつかなくなったと紹介されています。

そこで同社は、これらの担当者にもCursorを広げました。品質を確認する担当者は、関連するチケットや仕様の文書をCursorに渡してテスト項目を作り、さらにブラウザーで自動実行できる操作手順に変換しています。企画の担当者はコードをもとに仕様書の下書きを作り、デザイナーは実際に動いている画面をもとに試作を作っています。

公開事例によると、現在は1,000人を超える従業員が毎日Cursorを使っています。テストを生成する時間は70%減りました。70%減ったのは、テストを作る時間です。開発者は1人あたり週15〜20時間を節約できていると推定されています。

品質確認のチームは、不具合が起きやすい箇所に絞ったテストや、開発の早い段階での品質確認に時間を使うようになったとしています。Chief Quality OfficeディレクターのXie Lester氏は、次のように語っています。

QAチームは現在、インシデントの分析、テスト結果の自動化、開発前の仕様レビューにCursorを使っています。Cursorは、ソフトウェアの品質をどのように確保するかを変えつつあります。

Xie Lester氏(Money Forward Chief Quality Office ディレクター)

出典:Money Forward、Cursorのコーディングエージェントをプロダクト、デザイン、QAへ展開(Cursor)

【大企業の事例⑨】Stripe|営業が使う価値算定アプリをv0で開発

Stripeの事例紹介ページ
画像出典:VercelのStripe事例

プログラミングの経験がない財務の担当者が、営業向けのアプリを作った事例です。Stripeでは、顧客への導入効果を計算する仕組みを、営業担当者に表計算で提供していました。しかし入力する項目が多くて扱いにくく、少人数の専門チームに問い合わせが集中していました。

この状況を変えたのが、財務の経歴を持つMario Braz氏です。同氏は正式なエンジニアリング教育を受けていません。同氏は、対話からブラウザーで使えるアプリを生成する「v0」を使い、長距離フライトの機内で、動く初版を作りました。できあがったアプリはスマートフォンでも使えます。

アプリでは、必要な項目だけを順に入力できます。計算した結果は、自動で作られる顧客向けの提案資料に書き出せます。公開事例では、週あたりの社内利用者が、従来の表計算の23人から平均92人に増えたと報告されています。これは公開した週の急増を除いた数字です。

時間の削減については、資料1件あたり推定3〜4時間とされています。資料は週に約10件作られるため、週30〜40時間の削減になるという試算です。複数の部門にまたがる数か月の開発調整を経ずに現場へ届いた、とも紹介されています。

出典:How Stripe built a game-changing app in a single flight with v0(Vercel)

【大企業の事例⑩】Helix Electric|工事現場の細かな業務をアプリ化

Helix Electricの公式サイト
画像出典:Helix Electric公式サイト

既製の業務ソフトでは対応できない現場の作業を、自社でアプリにした事例です。米国の電気工事会社Helix Electricは、病院、データセンター、スタジアムなどの工事を手がけています。同社はこれまで、ソフトウェアは作らずに買うことを基本にしてきました。しかし、現場ごとの細かな作業には、既製品では埋まらない部分が残っていました。

そこで同社は、AIでアプリを開発できる「Replit」を使い、用途を絞ったアプリを作りました。一つは、協力会社の給与報告がカリフォルニア州の労働規制に合っているかを確認する「LCP Auditor」です。もう一つは、80〜160ページになることもある工程表から情報を取り出し、検索できるようにするツールです。

LCP Auditorでは、給与データの監査業務の効率が85%改善したと報告されています。担当者は、1つの工事につき4〜8時間かかっていた確認が、ほぼ一瞬で終わるようになったと話しています。工程表のツールについては、あるチームが手作業で12〜14時間かけていた160ページの更新を、6分で処理した例が紹介されています。

同社がReplitを選んだ理由として挙げているのは、既存の社員認証とつなげられ、誰がどのアプリを使えるかを管理できる点です。Replitで作ったアプリ全体では、過去90日間に社内から4,000回以上使われたと書かれています。

出典:How Helix Electric Unlocked Hours of Productivity with Replit(Replit)

中小企業のAI駆動開発事例10選

中小企業の事例を10件紹介します。自社の業務に合うツールを自分たちで作った事例と、新しいサービスを作った事例があります。多く登場するLovableやReplitは、AIと会話しながらアプリを作れるツールです。

企業・事例AIの主な使い方確認できる成果
AtonomLovableで自社の顧客管理を開発約3時間で試作し、営業現場に合わせて改善
GreenleafReplitで不動産業務の顧客管理を開発約25時間で自社用ツールを構築
AllFlyReplitで出張手配の機能を試作動く画面を使って仕様を確認
NursaLovableで看護学生向けサービスを開発48時間の試作後、約2週間で製品化
MusixmatchReplitで歌詞Tシャツの販売ツールを開発約2か月で本番公開
LumooLovableでファッション業界向け基盤を開発複数ブランドが利用する製品へ展開
Lovable自社製品で社内データ分析アプリを開発数週間で社内の約90%が利用
DeepgramClaude Codeで顧客対応の調査システムを開発複数の社内情報を集めて診断を支援
incident.ioClaude Codeで営業施策用ゲームを開発スコア保存機能のある作品を公開
BatchDataReplitで見積もり・承認ツールを内製既製品にない自社の条件を反映

【中小企業の事例①】Atonom|自社の営業に合う顧客管理をLovableで内製

Atonomの事例紹介ページ
画像出典:LovableのAtonom事例

高額な既製の顧客管理システムを、自社で作ったものに置き換えた事例です。Atonomは25〜30人規模の会社で、営業開拓、顧客対応、業務処理を担うAIエージェントを開発しています。同社は、使っていた顧客管理システムの契約額が年間4万ドルと高く、自社の使い方にも合っていないことに悩んでいました。

財務・法務責任者のJason氏は、AIと対話しながらアプリを作れる「Lovable」で、自社向けの顧客管理を試作しました。最初の試作は約3時間でできたとしています。見込み客の記録、商談の自動作成、営業用の集計画面を備え、営業担当者の意見を受けながら改善しました。問い合わせが入ると商談が自動で作られ、自社のAIが電話やメールでの連絡を始め、その状況が社内のチャットに通知されます。

提供元の事例では、旧システムの年間契約額4万ドルに対し、新しい構成のソフトウェアやサーバー利用などの年間費用は約1,200ドルとしています。約1,200ドルは、ソフトウェアやサーバーなどの利用にかかる費用です。

同社はその後、予算の管理や、月末に自動で更新される経営向けの画面もLovableで作りました。表計算で足りる程度の課題から始め、数時間で動くものを作って改善していく進め方が、各部門に広がっていると紹介されています。

出典:Atonom: How a startup replaced a $40,000 Salesforce contract with a Lovable-built CRM(Lovable)

【中小企業の事例②】Greenleaf|不動産業務に合う顧客管理を約25時間で構築

Greenleafの公式サイト
画像出典:Greenleaf公式サイト

開発の専門知識がない経営者が、自社用の顧客管理システムを作った事例です。Greenleafは米国南東部の8つの州で事業を行う、60人規模の不動産投資会社です。同社では、既製の顧客管理システムが業務に合わず、設定や社員教育に手間がかかっていました。自社向けに作り込むには、外部の専門家に数万ドルを払う必要があったとされています。

そこで、同社を率いるDave Codrea氏がReplitを使いました。同氏は開発の専門知識がない状態から、自社用の顧客管理システムを約25時間で作ったと紹介されています。Replitにかかった費用は150〜200ドルです。

Codrea氏は機能を必要なものに絞り、会議で出た改善案を短い間隔で反映しています。スマートフォンでの利用は特に計画していなかったものの、問題なく動き、社員の多くがスマートフォンで見ていると同氏は話しています。

提供元の事例では、削減額は10万ドル以上と紹介されています。同社は2つのアプリを完成させ、さらに5つを開発中です。

出典:Greenleaf: Custom CRM Replaces Salesforce(Replit)

【中小企業の事例③】AllFly|出張手配の機能を動く試作で具体化

AllFlyの公式サイト
画像出典:AllFly公式サイト

デザイン画ではなく、動く試作を開発者に渡すようにした事例です。AllFlyは40人を超える規模の会社で、法人向けの出張手配サービスを運営しています。同社は、強みである速さをさらに高めるために、開発の進め方を見直しました。

変えたのは、デザインから開発への引き継ぎ方です。同社は、デザインツールで作った画面をReplitで動く試作にしています。出張ルールの設定や支払いの分割といった機能を、実際に動く形で確かめられるようになりました。静止画のデザインや画面の画像を渡すのをやめ、動く製品そのものを引き継ぐようになった、と同社は語っています。

公開事例では、本番で使えるソフトウェアになるまでの期間が約2倍速くなったと報告されています。事例の冒頭には、公開した新機能が11以上、費用の削減が40万ドル超という数字も示されています。

同社のKenny氏は、Replitやほかのツールを自分で触る時間を、毎週数時間確保していると語っています。同社は、人を増やさずに開発を速める手段としてReplitを位置づけています。

出典:AllFly: Production-Ready Travel Software(Replit)

【中小企業の事例④】Nursa|看護学生向けサービスを週末に試作

Nursaの事例紹介ページ
画像出典:LovableのNursa事例

製品責任者が週末に試作を作り、新しい事業につなげた事例です。Nursaは、看護人材のマッチングサービスを展開しています。同社には数か月にわたって、看護学校向けの版はないのか、という問い合わせが届いていました。

製品責任者のNenad Ivanovic氏は、自分で作れるかを試すことにし、Lovableで看護学生と大学向けの「Nursa Study」を試作しました。シフトや資格情報を扱う機能を備え、看護学生と大学の管理者が使う初期版を、週末の48時間で作ったとしています。

同氏はこの初期版をCEOに見せたあと、約2週間かけて企業向けに使える製品へ仕上げました。サービスはその後、有料顧客の利用へ進んでいます。大学から金曜の会議でアクセシビリティ基準への対応を求められた際には、月曜までに実装したとも紹介されています。

同社は基幹システムの作り直しにもLovableを使い、7か月で完了しました。提供元は、これを12倍速いと表現しています。200人を超える従業員にも利用を広げ、ほかに10件のSaaSを廃止する手続きを進めているとしています。

出典:Nursa: How Nursa built a new product in 48 hours and changed how its entire company ships software(Lovable)

【中小企業の事例⑤】Musixmatch|歌詞をTシャツにする販売ツールを開発

Musixmatchの公式サイト
画像出典:Musixmatch公式サイト

すでに持っているデータにAIで作った機能を足し、新しい売り方を試した事例です。Musixmatchは、歌詞データを提供する企業です。同社では、製品を1つ出すのに約6か月かかっていました。

同社はReplitを使い、アーティストが曲を選び、歌詞を使ったTシャツを作って販売できるツールを開発しました。開発チームは、既存のアーティスト情報や歌詞データとReplitをつないでいます。デザイナーも画面を直接調整できる環境を用意しました。試作は、社内の制作イベント2回で作ったと紹介されています。

公開事例では、このツールは約2か月で本番公開へ進み、製品を出すまでの期間は約3倍速くなったとしています。公開後の約2か月間には、アーティストから1,000枚を超えるTシャツの注文があったと報告されています。

同社では、約120人にReplitの利用が広がったとしています。

出典:Musixmatch: Product Cycles Cut From 6 Months to 2(Replit)

【中小企業の事例⑥】Lumoo|業界経験をもとにファッション向け製品を開発

Lumooの事例紹介ページ
画像出典:LovableのLumoo事例

業界を長く経験した創業者が、AIで自分たちの製品を作った事例です。Lumooはスウェーデンの会社で、ファッションブランド向けの基盤を提供しています。共同創業者の2人には、ファッションと小売で合わせて25年の経験があります。2人は、ブランドの中で部門やツールが分かれ、画像や販促素材の制作が分断されていることを課題と見ていました。

2人はLovableを使い、商品の着用イメージや販売用の素材を作る機能と、既存の業務システムやECとの連携を備えた基盤を開発しました。裏側では30のAIモデルが連動していると説明されています。創業者は、ほかの方法なら最低2年はかかった、と語っています。

公開事例では、公開から9か月で年間経常収益が70万ユーロに達し、Gantなど15以上のブランドが顧客になったと紹介されています。創業者によれば、いまの販売のおよそ6割はデザイン画だけをもとに行われています。この基盤を使うと、生産の前に実際の見た目を確かめられるとしています。

事業が広がった段階で、同社は最初の技術者を採用しました。創業者が業界の知識をもとに製品を作り、利用が増えてから専門家を加えた流れです。

出典:How Lumoo used Lovable to transform the fashion industry from the inside out(Lovable)

【中小企業の事例⑦】Lovable|社内のデータを一つの分析アプリへ集約

Lovableの社内開発事例ページ
画像出典:LovableによるLovsightの開発記録

社内に散らばったデータを探す手間を、自社の製品で減らした事例です。Lovableは150人規模の会社です。同社のデータ担当者は、ログ、顧客情報、実験の結果などを、別々のツールから探していました。

データ担当者は自社製品のLovableを使い、これらを1つにまとめる社内アプリ「Lovsight」を作りました。最初はデータを見る画面から始め、利用者の要望に合わせて分析やレポートを追加しています。同社は、コードを1行も書かずにここまで作ったと説明しています。

自社ブログによると、数週間で社内の約半数が日常的に使うようになり、利用者はその後約90%まで広がりました。データの保管先に対する検索処理の半分以上が、このアプリから実行されるようになったとも報告されています。顧客サポートの担当者は、開発部門に依頼しなくても、利用者の状況を調べられるようになりました。

同社は、利用者の役割に応じて見られる情報も分けています。人事部門の担当者には、その業務に合った範囲の情報だけが表示されます。

出典:How one data scientist enabled a 150-person organization with a single Lovable app(Lovable)

【中小企業の事例⑧】Deepgram|Claude Codeで顧客対応の調査を支援

Deepgramの公式サイト
画像出典:Deepgram公式サイト

顧客対応の調査を、複数のAIに分担させた事例です。Deepgramは音声AIを提供する企業です。同社では、顧客から障害の報告を受けてから原因を突き止めるまでに、数日のやり取りがかかっていました。

同社の技術者はClaude Codeを使い、顧客対応を支援する社内システム「Deephive」を開発しました。チャット、開発管理、社内文書などに散らばった情報を、複数のAIが読み取ります。そのうえで原因の診断と、社内への引き継ぎ文、顧客への返信案をまとめます。外部へ送信するときや、何かを変更するときには、人の承認を残しています。

公開事例では、Claudeを使うことで、数日かかっていた障害の初期調査が数分に縮まったとしています。原因の調査からコードの修正案の作成までを、数時間で進めた例も紹介されています。

同社は、書かれたコードが後から置き換えられずに残った量も調べました。Claudeを日常的に使う技術者は、使わない技術者に比べて約4〜10倍だったと報告しています。同じ調査では、最もよく使う層ほど書き直されたコードも多く、その量は約9倍だったことも書かれています。

出典:Deepgram ships 4–10x more durable code with Claude(Anthropic)

【中小企業の事例⑨】incident.io|マーケティング担当者がゲームを公開

incident.ioの制作記録ページ
画像出典:incident.ioによるPagerTronの制作記録

マーケティングの責任者が、営業の施策に使うゲームをAIで作った事例です。incident.ioは、障害対応のサービスを提供しています。同社は、見込み顧客であるAnthropicに向けて、自社が提供できる価値を伝えるものを用意したいと考えていました。

CMOのTom Wentworth氏は、Claude Codeを使って「PagerTron」というゲームを作ったと書いています。同氏がClaude Codeを使ったのは、このときが初めてでした。ゲームは、Anthropic向けに用意した専用ページの一部として公開されています。遊べる機能に加えて、ハイスコアを保存する機能も実装されました。

本人の投稿から確認できるのは、制作の方法と、公開したという事実です。このゲームだけでどれだけ受注や売上につながったかは、投稿では示されていません。

出典:Why we vibe coded a marketing campaign for Anthropic(incident.io)

【中小企業の事例⑩】BatchData|自社の見積もりルールをアプリにする

BatchDataの公式サイト
画像出典:BatchData公式サイト

事業側の責任者が、自社の販売条件に合わせた業務ツールを作った事例です。BatchDataは、不動産データを提供する企業です。Chief Growth OfficerのPreston Zeller氏は、Replitを使って見積もりツールを内製しました。

このツールは、商品の組み合わせ、価格の計算、複数段階の承認と社内チャットへの通知を扱います。Zeller氏は、自分のチームに必要な機能だけを作ったと紹介されています。提供元の事例では、構築にかかった費用は総額250ドルでした。同じ種類の既製品を契約した場合は、年間5万ドル以上かかるとしています。

同氏は、不動産投資の収益を計算するツールも作っています。開発者に頼めば1週間かかったはずの計算ツールが、1〜2時間でできたと報告されています。この1〜2時間は、計算ツールを作るのにかかった時間です。

提供元の事例は、SNS上の評判を調べるツールの内製分も合わせると、既製品を契約した場合に比べて年間6万2,000ドル以上の節約になるとしています。

出典:BatchData: Enterprise Tools in Hours, Not Months(Replit)

個人のAI駆動開発事例10選

個人の事例を10件紹介します。開発の経験がない人が作った事例と、経験者が作った事例の両方があります。すでに利用者がいるものだけでなく、正式公開の前の試作も含みます。

開発者・プロジェクト作ったもの/主なツール公開記録で確認できる段階
Yannis/PrintPigeon郵送サービス/Lovable約3日で構築し、利用者を獲得
Aaron Veale/Planet Food農家と飲食店の受発注/Figma Make3週間未満で動くアプリ、実取引へ
Jon Cheney/GenAIPIAI学習・資格認定サービス/Replit週末1回で初期版を開発、5日以内に最初の顧客を獲得
Mindaugas/Backchannel求職者向け学習・交流サービス/Lovable試作の紹介から有料利用へ
Bilal/Aneta人事向けアンケート・分析/Lovable約1か月で開発し、試用者へ公開
Tomas/Dummy Formsフォーム作成・回答管理/Lovable公開後8日間で584件の登録との報告
Shalini Ananda/Fire Fairness法律支援団体向け書類確認/Lovable弁護士らが使うブラウザー向けアプリへ
Sabrine Matos/Plinq女性向け安全情報サービス/Lovable約45日で初期版を公開
Sergio/Tribbai複数のAI役割が対話する場/Lovable正式公開前、65人の待機登録
Konstantin/Kaleidoscope操作できる立体作品/Lovable作品を制作・公開

【個人の事例①】PrintPigeon|郵便を送る不便からサービスを開発

PrintPigeonの事例紹介ページ
画像出典:LovableによるYannis氏のインタビュー

自分が困った経験から、個人でサービスを作った事例です。ギリシャ出身のYannis氏は、消費者向けブランドのデジタルマーケティングに15〜16年携わってきました。同氏はイギリスに住んでいたとき、税務署へ書類を郵送する必要がありました。しかし、手元にプリンターがなく、近くに郵便局もありません。この経験から、ファイルと宛先を登録すると書類を郵送してくれる「PrintPigeon」を作りました。

同氏は、自分は開発者ではないと話しています。Lovableを使い、まず紹介ページを作って友人に見せ、意見を集めました。そのあと本体に進み、データの保存、通知メール、決済サービスをつないでいます。

同氏によると、使い方を学ぶ時間も含めて約3日で動くものができました。Lovableの利用にかかった費用は38ドルです。

公開後、同氏は広告で需要を確かめ、検索からの集客も改善しました。利用者の50%近くは、母国を離れて暮らす人でした。イギリスあてに手紙を送る用途だったと同氏は説明しています。その後、子ども向けの証明書が付いた「サンタの手紙」のサービスも追加しています。

出典:From Idea to Impact: Yannis’ Journey with Lovable(Lovable)

【個人の事例②】Planet Food|農家と飲食店をつなぐ受発注アプリ

Planet Foodの公式サイト
画像出典:Planet Food公式サイト

利用者への聞き取りから始めて、受発注アプリを作った事例です。デザイナーでもあるAaron Veale氏は、カナダのブリティッシュコロンビア州で、地域の農家と飲食店の取引をつなぐ「Planet Food」を作りました。

同氏は開発の前に、約6週間かけて農家に話を聞いています。そのうえで、対話からアプリを作る「Figma Make」を使い、農家が収穫した商品を登録する画面と、飲食店が注文する画面を作りました。畑での日差しの反射を抑えるために初期設定を暗い配色にし、どの作業も3クリック未満で終わるようにしています。データの保存と通知メールも連携しました。

最初の試作は、1日のうちに約20回の指示で作ったと紹介されています。動くアプリになるまでの期間は3週間未満でした。

初期の注文は、同氏が自分で配送まで担当しました。豚半頭分を届けたこともあったと話しています。記事の時点では、1,200の農場が利用への関心を登録しているとされています。

出典:Version Control: One Founder’s Mission to Save Local Farms with Figma Make(Figma)

【個人の事例③】GenAIPI|AIを学び、資格認定を受けるサービスを開発

GenAIPIの公式サイト
画像出典:GenAIPI公式サイト

プログラミングの経験がない起業家が、見積もりの高さを理由に自分で作った事例です。Jon Cheney氏は、起業の経験を持っています。同氏は、長年考えていたアプリの開発の見積もりを取ったところ、10万5,000ドルでした。

そこで同氏はReplitを使い、AIの学習と資格認定のサービス「GenAIPI」を自分で立ち上げました。AIに関する知識の評価、講座の予約、認定用のテスト、証明書の発行、決済などを組み合わせたサービスです。同氏は、ウェブサイトも管理画面も製品の本体も、Replitの中で作ったと話しています。使い始めて10分以内に、動くものができたとも語っています。

公開事例では、同氏は400ドル未満の費用と、週末1回でGenAIPIを作ったとしています。さらに、5日以内に最初の顧客を獲得し、その金額は1万5,000ドルだったと説明しています。

同氏は、最初の週末から18か月後の事業の評価額は2,000万ドルだとも話しています。

出典:GenAIPI: Built in a Weekend for Under $400(Replit)

【個人の事例④】Backchannel|求職者への助言を学習サービスへ

Backchannelの事例紹介ページ
画像出典:LovableによるBackchannelの開発記事

自分の知識を、小さなサービスにして届けた事例です。Mindaugas氏は、採用やコミュニティ運営の経験を持っています。同氏は、求職者へ段階的に助言を届ける「Backchannel」をLovableで作りました。

同氏にプログラミングの経験はありません。認証の仕組みや外部のAIとのつなぎ方を学びながら、コードを書かずに試作しています。

同氏は、試作品を動かしている動画を知人に見せました。すると最初の相手から、お金を払いたいと言われたと話しています。同氏は決済用のリンクを作り、有料での提供を始めました。Lovableの記事は、数日のうちに有料の利用者がついたと紹介しています。

有料の利用者が数人ついたあと、同氏は利用者の要望を受けて、交流用の掲示板を一晩で追加しました。助言が2日ごとに届く仕組みも用意しています。

出典:How Mindaugas Built Backchannel with Lovable(Lovable)

【個人の事例⑤】Aneta|デザイナーが人事向けの調査・分析ツールを開発

Anetaの事例紹介ページ
画像出典:LovableによるAnetaの開発者インタビュー

デザイナーが、自分で動く製品まで作った事例です。プロダクトデザイナーのBilal氏は、従業員向けのアンケートと分析を行う「Aneta」をLovableで開発しました。

同氏は、画面、データ処理、AIによる分析機能を組み合わせています。約1か月でプラットフォームを作ったと説明しています。Lovableがなければ、技術者、プロダクト責任者、デザイナーを合わせた10人のチームと数か月が必要だった、とも話しています。

同氏は、新しい製品を紹介するサイト「Product Hunt」でAnetaを公開しました。公開時には約2,000人が訪問したと報告されています。この数字は、サイトを訪れた人の数です。見込みの利用者は3万人としています。

同氏は、試用した人の意見を受けながら改善を続けました。記事の時点では採用の分野へ軸足を移し、候補者を見極めるアンケート機能を作っていると語っています。

出典:From Idea to Reality: How Bilal Built Aneta, an AI-Powered HR Agent, with Lovable(Lovable)

【個人の事例⑥】Dummy Forms|経験者がフォーム作成の手間を製品化

Dummy Formsの事例紹介ページ
画像出典:LovableによるTomas氏のインタビュー

開発の経験者が、繰り返し出てくる作業をサービスにした事例です。Tomas氏はカナダ軍の歩兵で、15年以上の開発経験を持っています。同氏は、フォームの処理を何度も作り直す手間に目を向け、「Dummy Forms」を開発しました。フォームを作り、回答を管理・分析できるサービスです。

同氏が得意なのは画面側の開発です。データ処理側は、Lovableの支援を受けて進めたと話しています。

公開後の8日間で、584件の登録と、190件を超えるフォーム作成があったと紹介されています。訪問者は2,100人でした。同氏はLovableのハッカソンで3位に入り、Product Huntでは5位になったともしています。

同氏はこれまでに10個のアプリを作り、そのうち2つを本番で動かしています。同氏は助言として、機能を事前に書き出しておくこと、課金の仕組みを早い段階でつなぐことを挙げています。

出典:How a Canadian Infanteer Built 10 Apps in Record Time with Lovable.dev(Lovable)

【個人の事例⑦】Fire Fairness|専門家が使える画面をAIで用意

Fire Fairnessの事例紹介ページ
画像出典:LovableによるFire Fairnessの制作記事

すでにある専門的な処理に、ほかの人が使える画面をAIで付けた事例です。AI研究者のShalini Ananda氏は、機械学習の博士号を持っています。同氏は、山火事の被災者を支援する法律支援団体に向けて「Fire Fairness」を作りました。保険の請求書類を確認する仕組みです。

同氏には、データ処理などの開発経験があります。一方、画面を作るのは初めてだったと説明しています。同氏はLovableを使い、すでにあったコードを、書類のアップロードや結果の確認ができるブラウザー向けのアプリにしました。すでにあったコードに画面を付けるこの作業は、1時間未満で進んだと紹介されています。

公開事例では、手作業での確認に比べて処理が360倍速くなり、数週間かかっていた確認が1日足らずになったとしています。これまでに2,847件の請求を処理したとも報告されています。

このツールは無償で提供され、弁護士らが使っています。同氏は次の段階として、安全性と信頼性を保つことを挙げています。

出典:From command line to community impact: How Shalini Ananda built Fire Fairness with Lovable(Lovable)

【個人の事例⑧】Plinq|利用者の困りごとから安全情報サービスを開発

Plinqの事例紹介ページ
画像出典:LovableによるPlinqの開発記事

利用者としての問題意識から、開発の専門教育を受けていない人がサービスを立ち上げた事例です。Sabrine Matos氏は、ブラジルでマーケティングを経験してきました。同氏は、女性が安全に関する情報を調べやすくする「Plinq」を立ち上げました。

同氏はLovableを使い、画面、公開されているデータとの連携、通知などを備えた初期版を作りました。初期版は約45日で公開したとしています。危険の度合いを色で示す機能や、緊急時に登録した連絡先へ位置情報を送る機能があります。

公開事例では、3か月で利用者が1万人を超え、年間経常収益は220万レアル(約45万6,000ドル)と紹介されています。同氏は、試用した人の意見を受けて改善を続けました。

記事の時点では、人事・雇用主向けの法人版を年内に出す予定とされていました。

出典:How Sabrine used Lovable to Fight Gender-Based Violence in Brazil(Lovable)

【個人の事例⑨】Tribbai|複数のAIが対話する場を個人で試作

Tribbaiの事例紹介ページ
画像出典:LovableによるTribbaiの開発記事

正式公開の前の段階にある、個人の試作の事例です。Sergio氏はポルトガル出身で、Web3企業での仕事を失ったあとに開発を始めました。同氏は開発者ではありません。

同氏が作ったのは、複数のAIが同じ場で会話する「Tribbai」です。企画の担当、コンテンツの担当といった役割を、それぞれのAIに与えます。同氏はLovableを使い、対話の記憶、役割の指定、データの保存、決済などを組み合わせました。

初期版では会話の流れに不具合がありました。同氏は、長く安定して動かすために作り直したと紹介されています。

記事が出た時点でTribbaiは正式公開の前で、待機登録が65人いる段階でした。記事には、AIで動くものを作ったあとに、使い続けられる品質へ直す工程があったことが書かれています。

出典:Building AI Conversations: How Sergio is Crafting Tribbai by Using Lovable(Lovable)

【個人の事例⑩】Kaleidoscope|経験者がAIと立体作品を制作

Kaleidoscopeの事例紹介ページ
画像出典:LovableによるKonstantin氏のインタビュー

開発の経験者が、AIと一緒に立体の作品を作った事例です。Konstantin氏はウクライナのキーウを拠点にし、開発や運用の経験を持っています。同氏はLovableを使い、立体作品「Kaleidoscope」を作りました。物体が浮かび、物理的な動きや衝突に反応する作品です。

同氏は、床と浮かぶ物体だけの簡単な空間から始めました。そこへ動きや表示を、少しずつ指示して足しています。別のAIで作ったコードをブラウザーで試し、動くことを確かめてからLovableでアプリに組み込む方法も紹介しています。

記事で確認できる成果は、作品を作って公開したことです。同氏は、Lovableが主催したハッカソンで優勝したことも報告しています。どの作品で優勝したかは、記事では示されていません。

同氏は進め方として、一度に複雑な指示を出さず、小さな単位で進めることを挙げています。

出典:How a Developer Advocate Built Stunning 3D Projects with Lovable—and Won Big(Lovable)

30の事例から分かる、AIを使った開発の3つの型

本記事ではここまで、AIを使った開発全般を広く「AI駆動開発」と呼んで、30件を紹介してきました。ただし、開発の進め方を細かく見ると、大きく3つの型に分かれます。

  • バイブコーディング型:細かい仕様書は作らず、作りたいものを言葉でAIに伝え、動くものを見ながら直していく
  • AI駆動開発型:仕様やテストなどの決めごとを先に用意し、それに沿ってAIに作らせて確かめる
  • 組み合わせ型:バイブコーディングで試作し、本番に向けて作り込む

30件を、この3つの型に分けると次のようになります。公開されている情報から読み取れる進め方をもとに、弊社で分類しました。当事者がこの呼び方をしているとは限りません。

型件数当てはまる事例
バイブコーディング型16件Stripe、Atonom、Greenleaf、Lovable、incident.io、BatchData、個人の事例10件すべて
AI駆動開発型9件Datadog、Endava、楽天、Coinbase、Dropbox、Salesforce、NVIDIA、マネーフォワード、Deepgram
組み合わせ型5件Helix Electric、AllFly、Nursa、Musixmatch、Lumoo

【型①】バイブコーディング型|仮説の検証や個人の開発に多い

30件のうち16件が、この型でした。個人の事例は10件すべて、中小企業でも自社用のツールを作った事例の多くが当てはまります。大企業でも、Stripeのように1人の担当者が社内向けのアプリを作った事例があります。

メリットは、開発の経験がなくても、短い期間と少ない費用で動くものを作れることです。Atonomでは財務・法務の責任者が約3時間で顧客管理を試作し、GenAIPIでは起業家が週末1回、400ドル未満でサービスを作りました。作ったものをすぐ人に見せられるので、本当に必要とされているかを早く確かめられます。

デメリットは、動くことと、安心して使い続けられることが別という点です。誰がどの情報を見られるか、複数の人が同時に操作してもデータが消えたり二重に登録されたりしないか、障害が起きたときに復旧できるかは、画面を触るだけでは分かりません。Tribbaiの事例でも、初期版に不具合があり、安定して動かすために作り直したことが紹介されていました。

【型②】AI駆動開発型|大企業や本番のシステムに多い

30件のうち9件が、この型でした。大企業の事例10件のうち8件が当てはまります。すでに動いている大きなシステムを、複数の技術者で開発している現場です。

メリットは、規模の大きいシステムでも、品質を確かめながら開発を速められることです。Dropboxは55万を超えるファイルを対象にAIを使い、NVIDIAは記録されるコードの量が3倍になっても不具合の発生率は横ばいだったと報告しています。Datadogのように、過去の障害を使ってAIの指摘が役に立つかを検証した事例もありました。

デメリットは、始める前の準備と、開発の進め方の見直しが必要になる点です。Coinbaseは、製品と技術の要件をAIが使える形で書くようにし、開発の進め方そのものを変えました。仕様、テスト、レビューの基準を整えるには、開発の専門知識を持つ人が欠かせません。

大企業だけの話ではありません。中小企業でも、Deepgramは顧客対応の社内システムをこの型で開発していました。顧客の情報を扱うシステムや、止められない業務のシステムを作るときは、会社の規模にかかわらず、この型の進め方が必要になります。

【型③】組み合わせ型|試作から本番へつなぐ

残りの5件は、2つを組み合わせた事例です。バイブコーディングで素早く試作し、そのあと本番で使えるように作り込んでいます。

Nursaは48時間で初期版を作り、そのあと約2週間かけて企業向けに使える製品へ仕上げました。AllFlyは動く試作を開発者へ引き継ぎ、Musixmatchは社内イベントで作った試作を約2か月で本番公開へ進めています。Lumooは、利用が増えた段階で最初の技術者を採用しました。

この型のメリットは、試作の速さと、本番で使える品質の両方を得られることです。一方で、試作をそのまま本番にするのではなく、作り込む工程と、それを担う人が必要になります。社内に技術者がいない場合は、試作までを自社で行い、本番に向けた作り込みを外部の専門家に頼む方法もあります。

AIを使った開発会社はどう選べばいい?

本番で使い続けるシステムを外部に頼むなら、バイブコーディングで速く作れるだけの会社ではなく、プロとしてAI駆動開発ができる会社を選ぶことをおすすめします。

理由は、3つの型で見たとおりです。バイブコーディングは速く作れますが、安心して使い続けられるかどうかは別に確かめる必要があります。仕様書やテストが残っていないと、不具合の原因を追いにくく、あとから機能を変えるのも難しくなります。

「AIを使って開発できます」という説明だけでは、どちらの進め方なのかは分かりません。

弊社では、次の4点を聞くと見分けやすいと考えています。

  • AIに任せる範囲と、人が判断する範囲:要件の決定、個人情報の扱い、本番への公開まで、AIに任せきりにしていないか
  • 品質の確かめ方:「AIが書いたプログラムを、誰がどう確認していますか」と聞いたときに、具体的な手順と合格の基準を説明できるか
  • データと権限の扱い:自社のデータをどのAIや外部サービスに送り、誰がどの情報を見られるのか
  • 公開後の保守:不具合の対応、機能の追加、社内への引き継ぎまで相談できるか

Walkersでは、対象のシステムと現在の状況を整理したうえで、AI駆動開発の進め方をご提案しています。外部に頼むべきか自社で作るべきかが決まっていない段階や、作りたいものがまだ固まっていない段階でも、いまの業務の困りごとからご相談いただけます。

AI駆動開発についてWalkersへ相談する

バイブコーディングとAI駆動開発の違いをもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

→ AI駆動開発とバイブコーディングの違いを比較する

自社で作れるようになりたい場合は?

社内に開発の組織がないなら、まずはバイブコーディングで、作りたいものを作ってみることをおすすめします。事例に登場したLovable、Replit、v0のように、ブラウザー上でAIと会話しながらアプリを作れるツールから始められます。

今回の事例でも、財務、マーケティング、デザインなど、開発を専門としない人が自分でアプリを作っていました。Greenleafでは経営者が約25時間で自社用の顧客管理を作り、BatchDataでは事業側の責任者が見積もりツールを内製しています。自社の業務をよく知る人が作るので、必要な機能だけに絞れます。

ただし、作ったものを社内や顧客に使ってもらう段階になると、セキュリティのリスクが出てきます。少なくとも次の点は、公開の前に確かめておきたいところです。

  • ログインした人が、見てよい情報だけを見られるか
  • 入力した情報が保存され、操作をやり直してもデータに食い違いが起きないか
  • 計算や外部サービスとの連携が、想定した条件で正しく動くか
  • データを失ったときの復旧や、不具合が出たときの対応を誰が引き受けるか
  • AIが作った変更を何で検証し、誰が公開を判断するか

これらを開発の経験がない人だけで判断するのは簡単ではありません。個人情報、決済、重要な計算を扱う場合は、専門家に見てもらいながら進めると安心です。弊社でも、自社で作る場合の進め方や、公開の前に確認すべき点のご相談を受け付けています。

自社でのAI開発の進め方をWalkersへ相談する

AI駆動開発の事例に関するよくある質問

エンジニアの経験がなくても、AIを使ってシステム開発はできますか?

バイブコーディングであれば、できます。今回の30件でも、開発の経験がない人がアプリやサービスを作った事例が多くありました。

一方、AI駆動開発は、仕様やテストを先に整える必要があるため、開発の経験がない人だけで進めるのは難しい場面があります。その場合は、専門家の支援を受けながら進める方法があります。2つの違いは、AI駆動開発とバイブコーディングの違いの記事で詳しく解説しています。

事例と同じ期間・費用で作れますか?

同じになるとは限りません。すでにあるコードやデータ、作る機能、作る人の経験が違うためです。特に、試作までの期間と本番で動かすまでの期間は別のものです。ツールの利用料と、保守まで含めた全体の費用も分けて考える必要があります。

まとめ

本記事では、AI駆動開発の成功事例30件と、そこから分かる3つの型を紹介しました。

  • バイブコーディング型:開発の経験がなくても速く作れる。仮説の検証や個人の開発に多い
  • AI駆動開発型:品質を確かめながら大きなシステムを開発できる。大企業や本番のシステムに多い
  • 組み合わせ型:バイブコーディングで試作し、本番に向けて作り込む

どちらを選ぶかは、作るものによって変わります。社内の一部で使う小さなツールや、アイデアを確かめる段階なら、自社でバイブコーディングから始められます。顧客が使うものや、個人情報・お金を扱うもの、止められない業務のシステムは、AI駆動開発ができる専門家に頼むことをおすすめします。

外部に頼むなら、プロとしてAI駆動開発ができる会社を選ぶこと。自社で作るなら、まずバイブコーディングで作り、公開の前に専門家の確認を入れること。この2つが、30件の事例から言えるポイントです。

Walkersでは成果が実証されたノウハウをもとに、事業を成功に導くためのAI開発×補助金支援を行っています。新規事業・システム開発でお悩みがある方はお気軽にご相談下さい。

AI開発×補助金支援サービスの概要はこちら>>

Walkersに無料で相談する>>

無料セルフチェック

費用も、AI活用の効果も。まず無料でチェック

開発の概算費用と、業務のAI効率化診断。条件を選ぶだけで、その場で結果を確認できます。会社への問い合わせは不要です。

無料でチェックを始める →
  • URLをコピーしました!
クリックできる目次